星宿海への道 (幻冬舎文庫)/宮本 輝
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50過ぎの壮年の男が
中国旅行の際に行方不明になり、
彼の弟が、行方を探がして
歩き回ります。


行方不明の男の生き方やら、
考え方やらを、
弟が紐解いていきます。


なぜ、兄は
中国で姿をくらましたのか。


キーワードは「星宿海」。
星宿海という地名は、中国の
はじっこにあるそうです。


その男は幼いときに、
母から聞かされた
「星宿海」という言葉が
ずっとずっと、
大人になっても、
心に残っていたようです。


はでなアクションや、
「おお、そうだったのか!」
というような驚きもとくになく、
たんたんと
男の歩んできた足跡が
つづられていきます。


幼い頃、
学生の頃、
社会人になってからのこと、


その足跡を追うごとに、
彼をとりまく人達の
内情や事情を織り交ぜながら、
話は進みます。


結局、
彼が本当は、
どう思い、
どう考え、
なんで中国で
行方不明になったのか。


わからずじまい。

いたるところに
仕掛けられた伏線から
想像することはできます。


彼は地味で目立たない人だったけど、
いろんな人に愛されていたようですね。
平凡だけど、人柄がよかったようです。


それと、

兄の話はたくさんでてきますが、
その兄を探す弟の話は
ほとんどでてこないんですよね。


ほとんどが弟目線の

物語なのに。
その弟がどんな人なのか、

よく分かりません。


そもそも、

この物語が、

なにを言いたかったのか

よく分かりません。



色がない、小説。
とでもいいましょうか。


ここでいう「色」とは、
「色恋沙汰」の色では
ありませんよ。
念のため。



うーん。
わたしにとっては、
読むのはまだ早かったのか。


わくわくするものや、
非現実的な話が
わたしは好きなようです。


小説を読んで楽しいと思う

ポイントは人それぞれですが、

わたしの場合、

せっかく物語を読むんだから、

現実では体験しえない

ことが起こってほしいと

思ってしまうのです。