ディアドコイと古代コインでも解説したように

紀元前323年にアレクサンダー大王(アレクサンドロス大王)が急死した後

ディアドコイと呼ばれる後継者の争いが勃発、その多くは非業の死を遂げました。

王位についた以下のディアドコイ4名のうち

アンティゴノス1世:アンティゴノス朝マケドニア

セレウコス1世:セレウコス朝シリア

リュシマコス:トラキア王国

プトレマイオス1世:プトレマイオス朝エジプト

天寿を全うできたのはプトレマイオス1世のみ、他は戦死、もしくは、暗殺されました。

 

Ptolemaic Kingdom, 305/4-282 BC, Tetradrachm, 14.26g

Choice AU, Strike 5/5, Surface 4/5, Lightly Scratched

表: プトレマイオス1世の肖像 裏: 稲妻に乗る鷲

 

プトレマイオス1世は紀元前367年生まれでしたので

王位に就いた紀元前305年には既に62歳、エジプトの初代ファラオとなりました。

そして、紀元前282年、85歳で天寿を全うしたとされています。

映画「アレキサンダー」ではディアドコイの生き証人として

アンソニー・ホプキンス演じるプトレマイオス1世が語り手を務めています。

今回の古代銀貨は歴史的意義が高いだけでなく縁起が良いものと言えるでしょう。

 

Total Graded by NGC: Not AvailableとGrade Populationがなかったため

過去の落札記録を調べたところ、今回のコインがトップグレードでした。

Lightly Scratched:軽い引っ掻きキズありとされているものの見映えは良好。

よく見ると流通時の痕跡と思われる小さい線条が少し認められる程度です。

 

こうしたこともあり海外では極めて高く評価されている古代コインです。

https://coins.ha.com/itm/ancients/greek/ancients-ptolemaic-egypt-ptolemy-i

 

ところで、エウメネスの戦いの後で紹介したプトレマイオス6世時代のDidrachm銀貨

肖像をプトレマイオス6世としましたが、実は、プトレマイオス1世でした。

参照:https://coins.ha.com/itm/ancients/greek/ancients-ptolemaic
プトレマイオス6世の時代になってもプトレマイオス1世が崇拝されていたためでしょう。