マケドニア王国・王室秘書官エウメネスと銀貨では

エウメネス、そして、彼の出身スキタイの銀貨の紹介をしました。

エウメネスはマケドニア国王フィリッポス2世に雇われ

その死後、息子アレクサンダー大王の下で武将として活躍します。

*元は王室秘書官、詳しくは漫画「ヒストリエ」(岩明均)を参照

しかし、彼が最も活躍したのはアレクサンダー大王の死後かもしれません。

 

アレクサンダー大王は30歳代の若さで

バルカン半島からエジプト・アジアに及ぶ広大な領域を征服しますが

紀元前323年、その若さで急死します。

当然、後継者が定まっていません。

言い伝えによると「最強の者が後継者である。」と死に際に遺言したそうです。

エウメネス達武将による後継者を巡る戦争を誘発したわけです。

但し、エウメネスはスキタイ出身、よって、後継者になるわけではなく王室を維持する立場でした。

残念ながらエウメネスの活躍も虚しく王室は途絶え、最終的には3つの国に分裂します。

プトレマイオス朝エジプト・セレウコス朝シリア・アンティゴノス朝マケドニアです。

 

今回はプトレマイオス朝エジプトの銀貨を紹介します。

 

Ptolemaic Kingdom, 180-145 BC, Didrachm, 7.06g, XF★, Strike 4/5, Surface 5/5

表:プトレマイオス6世(紀元前186〜145年;在位、紀元前180〜145年)

裏:稲妻に乗る鷲

 

紀元前301年イプソスの戦いの後、アレクサンダー大王の帝国は分裂が決定的になりました。

したがって、この銀貨が鋳造された頃は分裂後100年以上経っていることになります。

ハンサムなプトレマイオス6世と勇ましい鷲、つい気に入ってしまい

過去の海外落札価格+約3割で落札してしまいました。

もっとも、古代コインの落札価格は海外より国内の方が1.5〜2倍程度になる感じがあるので

+約3割なら国内落札価格としては割安なのかもしれません。

 

ちなみにプトレマイオス朝最後のファラオにして美女で有名なクレオパトラ7世は

紀元前69〜30年の人ですからプトレマイオス6世から更に100年以上も後の人物です。