株式の資産価値を評価する計算式の一つに純資産法というものがあります。
https://sogyotecho.jp/value-of-the-company2/
1株の価値=企業価値÷発行済株式数
名優ダニー・デヴィート主演映画「Other People's Money」にも出てきます。
一方、自分が知る限り、金(ゴールド)には資産価値を評価する計算式がないようです。
未だ知られていないことに挑戦することこそ研究者の使命!
金の資産価値を評価する計算式を考えてみました。
ドル・ゴールド等価法:金の価値=ドル供給量÷米国保有金量
米国が保有する金と米国が供給しているドル、これらは同じ価値と仮定した計算式。
米国が保有する金で全てのドルを裏打ち(交換保証)した場合の金と価値とも言えます。
もちろん、現在、ドルは金本位制ではありません。
石油購入決済にはドルが必要ですので、石油本位制と言ってよいでしょう。
しかし、その石油購入決済もドル以外の通貨で可能にしようとする兆候があります。
もし、ドルの信用が揺らいだら?
そもそも、巨額の経常収支赤字・財政収支赤字を抱える国が発行している通貨ですから。
その一方、金の公的機関保有量は米国がダントツの1位です。
この米国公的機関が保有する金でドルを裏打ちすることを仮定しているわけです。
計算の結果として以下の3つが想定されます。
①現実の金地金価格 ≒ 計算式による金地金価格
→市場価格程度で全てのドルを裏打ちするには全ての保有金が必要
②現実の金地金価格 > 計算式による金地金価格
→市場価格程度で全てのドルを裏打ちするには全ての保有金より少なくてすむ
あるいは、市場価格程度での裏打ちならドルをもっと供給することができるとも言えます。
③現実の金地金価格 < 計算式による金地金価格
→市場価格程度で全てのドルを裏打ちするには全ての保有金でも足りない
あるいは、市場価格程度で裏打ちできる量を超えたドルが供給されているとも言えます。
それでは、実際に計算してみましょう。
通貨供給量=money stock=money supplyには下記のような種類があり
M1=現金と預金通貨の合計
M2=M1に定期性預金や譲渡性預金を加えたもの
市場全体の通貨供給量を示す指標はM2とされていますので、これを採用します。
ドルのM2はhttps://www.federalreserve.gov/releases/h6/によると
2020~21年約19~22兆ドルでしたので、簡単に20兆ドルとします。
米国の公的機関金保有量は
https://lets-gold.net/chart_gallery/gold-holdings-rank.phpによると
2022年2月の時点で約8133トンでした。
以上から、計算の結果は下記の通りになります。
20兆ドル÷8133トン=25億ドル/トン=2459ドル/g=7万6479ドル/オンス
現実の金地金価格はせいぜい2000ドル/オンス、これに対して
計算式から求められる金の価値は40倍近く高くなっています。
したがって、想定③に匹敵、しかも、現実の金地金価格の40倍近いということは