Bramsen862, 44g (Silver), 42mm, mintage ?

 

1862 France Agriculture Encouragement Medal

1875 France Agriculture Encouragement Medal

でナポレオン3世のメダルを紹介しましたが

今回はナポレオン1世皇帝(在位1804~1814、1815年)の

戦勝記念メダルを紹介します。

44g・42mmもありますので、2ターラー銀貨並の迫力です。

 

1809年、ナポレオン1世率いるフランス軍(18万人)はオーストリア軍(15万人)と

ウィーン近くの町であるWagram:ヴァグラムの周辺で戦い、これを辛うじて破りました。

この戦い、Battle of Wagramに勝利することでナポレオン1世は絶頂期を迎えました。

 

表のデザイン

ナポレオンの有冠肖像と言えば、1世も3世も月桂冠を被っていることが多いのですが

このメダルでナポレオン1世が被っているものはイタリア王の王冠です。

大変珍しく、おそらく、このメダルのみに採用されたデザインではないでしょうか?

 

周囲の碑文は

民族の守護者 不滅なる大フランスの皇帝にしてイタリアの王 ナポレオン

を意味していますが

このイタリアはナポレオン1世がイタリア半島北部を中心に樹立したイタリア王国のことです。

 

裏のデザイン

シュロ(ヤシ科植物)の葉と雷(いかずち)を持つ女神が描かれています。

シュロは軍隊において勝利を象徴します。

*キリスト教では死に対する信仰の勝利、つまり、殉教の象徴

一方、雷と女神の組み合わせは定番ではありません、ゼウスとの組み合わせが定番です。

周囲の碑文が、いかなる敵をも打倒する、を意味しているので

打倒(破壊)の象徴として雷を女神に持たせているのでしょう。

 

下部に書かれたローマ数字は

M, 1000; D, 500; C, 100 x3; IX, 9 で、西暦1809年を示しています。