2024年5月チューリッヒ・ミュンヘン旅行1 音楽以外 |   kinuzabuの日々・・・

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2024年5月にチューリッヒとミュンヘンに旅行に行って来た。目的はチューリッヒで行われる『ニーベルングの指輪』の第一チクルスを聴くため。

 

このブログでは音楽以外のことを主に書く。リングやミュンヘンで観たオペラの話はまた別途(たぶん)。

 

5月2日に関空発、ミュンヘン着、5月3日に陸路でチューリッヒ着。10日にミュンヘンに戻って、帰りはミュンヘン発5月13日、関空着5月14日。



当初、関空9時30分発だったルフトハンザのミュンヘン行きが9時5分発に変更になり、関空に到着できる7時10分では微妙だと判断し、泉佐野に前泊した。

ミュンヘン⇔チューリッヒは高速鉄道ECEを使った。振子電車で3時間半で結ぶ。結構混んでいて、帰りは立っている人もいた。

 



データ通信は今回は楽天モバイルを使った。そのためにMNPを使って日本の電話回線を楽天に変更し、海外ローミング(データ通信)を利用した。一か月2Gまで海外でデータ通信でき、通話も可能。都度SIMを買うと、2000円ぐらいかかり、海外で使える電話番号もないので、これらの問題を解決するには最適だった。現地でのデータ通信も国境で不安定だった以外は快適。楽天には、このサービスを継続して提供してほしい。



さて、リングチクルスは5月3,5,7,9日の4日にわたって行われた。チクルスの後はミュンヘンに行って、ショスタコービッチの『鼻』とワーグナーの『タンホイザー』を観た。

なお、『リング』のジークフリート役と『タンホイザー』の題名役はクラウス・フローリアン・フォークトですが、たまたまで、追っかけではありません。念のため。

 

 

会場のチューリッヒ歌劇場には初めて行ったがチューリッヒ湖の湖畔にあって、歌劇場の前は床に木が敷き詰められた大きな広場。とても気持ちの良い場所にあった。とはいえ、前の広場は、『ジークフリート』の日からサーカス会場に変貌してしまったのが残念。

チューリッヒ歌劇場




チューリッヒの『リング』はホモキ演出で、すっきりした背景と明快な装置、回転舞台による装置・場面の頻繁な転換が特徴で、内容は『リング』の物語に極めて忠実なものだった。

一方、ミュンヘンの歌劇は、『鼻』『タンホイザー』のどちらもわけがわからず、特に『鼻』は筋の順番を変えた演出だったものだから、さっぱり意図がつかめなかった。

チューリッヒとミュンヘンの違いなのか、スイスとドイツの違いなのか、ちょっと見ただけなので分からないけれど、こういう違いは面白いなと思った。


また、チューリッヒでは『リング』のない日があるので、6日はアルプスのユングラウヨッホ、8日はベルンへ行った。前者はスイスらしいところに行ってみたかったから、後者はパウル・クレーセンターへ行ってクレーの絵を見たかったから。


ユングフラウヨッホについて、調べたらチューリッヒから日帰りできることを知ってびっくりした。その日のうちに3400m超の標高の場所に往復できる。お値段もびっくりしたが。スイスは交通機関が発達していて、国土も狭く、都市からすぐに山岳部にアクセスできる恐るべき場所だと思い知った。観光客が押し寄せるわけだわ。

ただ、鉄道料金の仕組みがわかりにくく、いろいろシミュレーションして何を買うか決めた。しかし安くチケットを買った列車がキャンセルになったり、1日乗り放題パス(sever day pass)などあまり知られてない切符があったりして、混乱が拍車した。


で、ユングフラウヨッホ、残念ながら雲と雪で何も見えず、予定より早く1時間で帰ってきた。行く途中や帰りにスイスらしい写真を撮れたので、まあよかったことにしよう。

 

ユングフラウヨッホ駅 標高3454m



外は真っ白で何も見えない


大きなU字渓と山


グリンデルワルト付近


ベルンは、ベルン出身のパウル・クレーの絵を集めたパウル・クレーセンターがあり、同行者がクレーの絵が好きでスイスに行くなら外せない所だったのだが、クレーの絵の展示が思いのほか少なく、とても残念だった。天気はそれなりによかったので、旧市街を歩いて、のんびり帰った。

クレーの絵


ベルンの街並


ベルンの旧市街



一方、チューリッヒの感想は、静かできれいな街という印象だが、とにかく物価が高い。スーパーの簡単なサンドイッチで、CHF7、つまり1200円近い。オペラ劇場のシャンパンはグラスでCHF18、3000円以上。この物価高、円安に何とか耐えて1週間を質素に過ごした。

 

チューリッヒの街並



チューリッヒの街


チューリッヒはワーグナーが長期滞在した場所でもあり、聖地というか、ワーグナー関連の場所も多い。ワーグナーが5年滞在したアパートには旗が立ち銘板があるし、パトロンであるヴェーゼンドンク邸(現リートベルク博物館)や、その裏にあるヴェーゼンドンクがワーグナーのために建てた『隠れ家(ASYL)』(現ヴィラ・シューンベルク)にも行った。銘板によるとASYLの正面は後年に増築されているらしい。

ワーグナーが住んだアパート


旧ヴェーゼンドンク邸


ワーグナーの「隠れ家(ASYL)」(正面)


裏面


ワーグナーの胸像


ヴィラ・シェーンベルクの銘板



ここからはミュンヘンの話。

 

ミュンヘンに行って、円安はあるけど、物価は安いので、はじけてしまっていろんなものを買い、ビアホールに2回も行ってしまった。食費は9日間滞在したチューリッヒより、3日間の滞在だったミュンヘンの方が高くついたかもしれない。また、滞在した日に土日を含んだためもあるだろうが、旧市街はとにかく人が多かった。

 

州立歌劇場の正面。人がいっぱい座っている。

 

州立歌劇場の王室の間(?)

 

我が敬愛するクナッパーツブッシュの像

 

美術館はアルテピナコテークに行った。ノイエピナコテークは閉館中だったが、一部の作品がアルテピナコテークで公開されていた。朝一に行ったので人も少なくのんびりと楽しめた。レンブラントのキリストの昇天の連作やレオナルド・ダ・ヴィンチの絵が綺麗だった。

 

アルテピナコテーク


ダ・ヴィンチの絵


 

そんなこんなで楽しく過ごした旅行だった。ただ、円安の影響が極めて大きく、これを何とかしないと日本人の旅行者は増えないよなと思った。まあ、トラブルがなく、無事に帰ってこられたのが一番である。

 

つぎにつづく