kinuzabuの日々・・・

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      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

京都市交響楽団第711回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール、2026年5月16日。




指揮:シルヴァン・カンブルラン
管弦楽:京都市交響楽団
コンサートマスター:泉原隆志

曲目
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

定期演奏会にカンブルランを連れてくるなんて、京響は凄いね。カンブルランのマーラー、どうなるんだろうと期待していた。


結果は、むちゃくちゃよかった。こんなクリアな演奏で激しい爆発を楽しめるとは!


カンブルランの指揮は、テンポが心地よくて、静けさと強奏を際立たせる。静かなVnソロから木管に音が移って、ハープとチェレスタがきらびやかな音を奏でた後に、だんだん管弦楽全体に広がって最後に爆発する様は、聴いていて体が震えた。

京響の演奏は、16型の弦が分厚くすごみがあり、5管の木管がよく鳴って、8人のホルンが響き渡り、11人の金管が頑張る。ハープとチェレスタが美しく、6人の打楽器奏者が次から次へと多彩な楽器を強く鳴り響かせる。

舞台上に奏者が108人。壮観で見ているだけで興奮した。さらにびっくりしたのはこれだけの大人数の管弦楽なのに、極めてクリアで各楽器の音がよく聴き分けられたこと。さすがカンブルラン、オケの掌握力が凄い。

合奏も凄いが、各楽器のソロも大変美しくて惚れ惚れした。ハンマーは鈍い振動が体に強く伝わってきて、そのおぞましさに怯えた。

見ている分にはやっぱり打楽器が楽しい。第4楽章での2回のハンマーがいつ降り降ろされるかとドキドキし、4人の打楽器奏者がシンバルを打ち鳴らす姿はまるでびわ湖に広がる花火を見ているかのようだった。

全体的には、極めてクリアな一方、爆発も果てしなく、熱気に満ちあふれていた。カンブルランは指揮棒を持たず、ビシッと指示を出す。京響はそれに見事に反応して会場を音で満たしていた。

終演後の客席の盛り上がりも凄かった。私はオケが掃けたら帰ったけれど、拍手が続いていたから、指揮者の呼び戻しがあったかもしれない。

大変感激した演奏会だった。こんな演奏を待っていた。やっぱり、カンブルランが凄いのだろう。それに応える京響も素晴らしい。もう最高。長く記憶に残るに違いない。




 

京都市交響楽団プロコフィエフの陣「壱」交響曲全曲演奏会を聴いた。会場は京都コンサートホール、2026年5月3日。



指揮:沖澤のどか
管弦楽:京都市交響楽団
コンサートマスター:豊嶋泰嗣

曲目
プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」
プロコフィエフ:交響曲第2番
プロコフィエフ:交響曲第3番


今年は京都市交響楽団の創立70周年で、その記念事業の一つがプロコフィエフ交響曲全曲演奏会。7曲の交響曲を3回にわたって全曲演奏する。今回はその「壱」で、第1番、第2番、第3番の3曲。

第1番「古典」は良く演奏されるが、第2番、第3番は演奏されたという話をあまり聞かない。これらの曲を聴ける極めて貴重な機会だと思う。

 

私もプロコフィエフの音楽では交響曲第5番やピアノ協奏曲第3番は大好きなので、こういう機会を逃す手はない。

客席はほぼ満員。この曲目でこれだけ人を集めるとは、この企画が注目されている証拠だろう。なお、NHKのE-テレの番組、クラシック音楽館の収録があった。


最初は交響曲第1番

弦楽が12型。弦の切れが大変すばらしい。軽やかな音楽に聴こえるが、音列は面白い。「古典」という別名が付く通りプロコフィエフの交響曲の中では、聴きやすい曲だと思う。


続いて交響曲第2番

ここからは弦楽が16型になり、巨大な演奏になる。第1楽章は15分間ずっと轟音を鳴り響かせ、迫力に圧倒された。凄まじい演奏だったが、管弦楽は全く乱れることなく各楽器の音もクリアに聴こえた。

第2楽章は、一転してオーボエの優しいメロディで始まり、最後にそれが再現され静かに終わる。でも、その間の変奏のうちの最後で、打楽器と管弦楽が極めて強く打ち鳴らす「ダッ、ダッ、ダダダダン」という響きが強く強く頭に残って、その他の部分が飛んでしまった。

全体的にとりとめのない音楽という感じで、後年のプロコフィエフらしさはあまり感じられず、迫力があったという印象しか残らなかった。「ダッ、ダッ、ダダダダン」はしばらく頭に残りそうだが。


休憩後は交響曲第3番

第2番とは全く違って、驚異的な爆発の場面は少なく、プロコの複雑な音楽の片鱗が見える印象。第1楽章ではショスタコーヴィチの影響もあるように思った。第2番のようにとりとめのない音楽とは思わなかったが、記憶に残るようなメロディも少ない。

歌劇『炎の天使』の音楽から取っているという話だけれど、そのオペラを観てないので、関係は私には分からない。そのうち音楽を聴いてみよう。


沖澤さんの指揮は、3曲とも、しっかり交通整理をしてテンポを保ち、オケを導いていた。

京響の管弦楽も、思いっきり爆発しながらも極めて明瞭で、複雑で強烈な音楽をしっかり形にしていた。2番の第1楽章なんて大変だっただろう。

演奏が終わって、沖澤さんの疲れ切った様子が、この演奏会の過酷さを物語っていた。

ただ、管弦楽は、金管が弱い気がする。前回の定演でも感じたのだが、もう少し頑張ってほしいところ。(でもこれは、最近欧州で大変優秀なオケを繰り返し聴いたので私が求める演奏の基準が上がってしまったのかもしれない・・・)


チャレンジングなプログラムでしっかり成果を出した演奏会。沖澤さんと京響のコンビは向かうところ敵なしだ。7月の第弐回、11月の第参回も頑張ってほしい。




 

京響70周年記念 友の会Special Thanks コンサートに行ってきた。会場は京都コンサートホール。2026年4月29日。



指揮:沖澤のどか
管弦楽:京都市交響楽団

曲目
ワーグナー:楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

 第1幕への前奏曲
ベートーヴェン:交響曲第7番


京都市交響楽団の70周年を記念して、友の会会員を対象に無料のコンサートを開いてくれた。私も友の会会員だから申し込んだ。会場は7~8割ぐらい埋まっていたかな。

演奏される2曲の間に、京響の楽団長である松井孝治京都市長と沖澤さんのミニトークがあった。

ミニトークによると、「京響の70周年は、地元の方と祝いたいので、京都でいろいろコンサートやることにした。このコンサートはその一環」とのこと。他にプロコフィエフ全曲演奏会とかロームシアターと共催「カルミナ・ブラーナ」とかいろいろある。

それにしても、先週末はびわ湖の春音楽祭(3公演)、今週末はプロフィエフ交響曲全曲演奏会の1回目があるというのに、その間にこのコンサートもやるとは、沖澤さんも京響もタフだな。


では感想を。まずは、『マイスタージンガー』第1幕への前奏曲。

オペラの前奏曲というよりシンフォニックな演奏。それはいいんだけど、もたもたしているし、音が団子になっているしで、沖澤さんの指揮としてはもの足りないかな。一方、京響の管弦楽はしっかり音を出していたと思う。

うーん、ワーグナーの楽劇は難しい。


ミニトークの後はベートーヴェン交響曲第7番。

こちらは、大変生きのよい演奏にしびれた。重厚で、流麗で、飛び跳ねるようで、疾風怒濤で。第4楽章は最初から極めて速くて興奮の嵐。沖澤さんの指揮姿も動きが大きくて、楽しそう。

京響の管弦楽も、沖澤さんの細かな音作りをしっかり具現化していた。すばらしい。


マイスタージンガーは残念だったけれど、ベートーヴェン第7番は勢いがあってとても楽しめた。やはりベートーヴェンのほうが得意なのかな。ワーグナーもペトレンコに鍛えてもらえばいいのに。

 

大変良い体験ができた。無料でこれだけの音楽を味わえたのだから、ありがたいことだ。

 

京響70周年おめでとうございます。これからも引き続き頑張ってください。