びわ子「みなさーーーん!こーんーにーちーわー!!!」
おおつ「皆さま、こんにちは。今日は、びわ湖ホールにR.シュトラウス作曲歌劇『ばらの騎士』の公演にきています。指揮は阪哲朗さん、管弦楽は京都市交響楽団の皆さんです」
配役表
びわ子「なんでもウィーンの雰囲気がいっぱいのオペラって聞いたけど」
おおつ「そうですね。王朝貴族の恋物語でとてもロマンチックですね。ウィーンの雰囲気は音楽によるものが大きいかもしれません」
びわ子「で、あらすじは?」
おおつ「元帥婦人の浮気相手の若い伯爵が、悪役男爵の婚約相手と恋をする話です。婚約のお披露目の時に使者が「銀のばら」を婚約者に送るという、何とも素敵な場面があります。他にも聴きどころが満載」
びわ子「私も銀のばらがほしい!素敵なお相手がほしい!」
おおつ「それでは、ホールへまいりましょう」
びわ子「はーい、ホールへ行きましょう」
(3月2日と3月3日の公演を観ました)
おおつ「いかがでしたか?」
びわ子「かつらのおっさんはじけとったなあ。初日だけど」
おおつ「初日のオックス男爵役の妻屋さんはとてもよかったですね。オックスらしいいやらしさもありつつもおおらかで力強い。演技もすばらしい。今回の公演で一番目立ったのは妻屋さんではないでしょうか」
びわ子「音楽にもうっとり」
おおつ「R.シュトラウスらしいきらびやかな響きがとても美しかったです。阪さん、京響のなせる業ですね」
びわ子「まず、演出はどうだった?ウィーンぽい雰囲気があったと思うけど」
おおつ「ウィーンぽいかどうかはわかりませんが、しっかりと舞台装置を作っていましたね。柱や階段も美しい。しっかりした装置はしっかりした場面を作りますから、それだけで場が引き締まります。3幕では背景に模様も投影されてました」
びわ子「3幕は地味だったね」
おおつ「まあ、そういう設定ですから。ドタバタを制御してうまく作り出していたと思います」
びわ子「え、勝手に動いてたんじゃないの?」
おおつ「そんな簡単にドタバタをドタバタらしくできないでしょう。まとめると、全体的にオーソドックスですが、よい演出だと思いました」
びわ子「次は歌手はどうだった?初日の若い騎士と、二日目の偉い奥様の歌がよかった」
おおつ「初日のオクタヴィアン役の八木寿子さんは力があってまっすぐな歌が役にあってました。二日目の山際きみ佳さんも同様でこちらも満足しました」
おおつ「一方、元帥婦人は初日の森谷真理さんは、もっと歌えるはずだよなと思いながら聴きましたが、二日目の田崎尚美さんは大迫力で、高貴ですばらしかったです」
びわ子「婚約者の人は?よかったよー」
おおつ「ゾフィー役の石橋栄実さんも吉川日奈子さんもどちらもつつましく美しいゾフィーでした。ただ、石橋さんは高音がキンキンしたのが残念」
おおつ「で、この三人で最後の三重唱をするわけですが、それがもう美しくて美しくて。涙なしには聴けませんでした」
びわ子「そういや、このおっさんはすぐ泣くんやったな」
おおつ「泣けるオペラを観られるのはありがたいことなんです!」
びわ子「ところでかつらのおっさんは?二日目の人は初日に比べるともう一つやったなあ」
おおつ「オックス男爵役の初日は妻屋秀和さんはすでに書きましたけど、二日目の斉木健詞さんは私にはもう一つ。声は出てるし大柄な体格はオックスにふさわしいけれど、声が端正に過ぎて悪い人に聴こえないし、演技ももう一つ」
びわ子「婚約者のお父さんは?」
おおつ「正直、こんなに存在感のない役だったかと思いました。青山貴さんも池内響さんも。出番も少ないですしね」
びわ子「そのほかの人は?」
おおつ「テノール歌手役の清水徹太郎さんがよかったです。ちょい役が多いこのオペラ中で、とても目立ってました。すばらしい歌でした。この役は有名歌手が若いころに歌うことが多いそうで、清水さんもこれからさらに羽ばたいてほしいですね」
おおつ「他の歌手も皆さん頑張ってよい舞台にしてくれたと思います。今回思ったのは、山際さんや清水さんなどびわ湖声楽アンサンブル出身の歌手の皆さんの活躍ですね。皆さんがしっかり歌って場を盛り上げてくれました。」
びわ子「じゃあ、指揮とかオケは?もうむっちゃ感激したんだけど」
おおつ「阪さんの指揮も京響のオケもすばらしかったですね。阪さんの指揮はとても気持ちよくて、生き生きしていて、場面にあった音楽を作り出し、それを京響が魔法のようにきらびやかな音にして表現してくれる。すばらしかったです。香り立つ管弦楽がそれこそウィーンの香りを届けてくれたような気がします」
びわ子「とってもよかったよね?」
おおつ「はい、とても。こんな演奏でこの曲が聴けるなんてすばらしいことです。歌も演出もすばらしくて、オペラとして大変満足しました。こんな公演を2日も楽しめるなんて幸せです」
びわ子「ところで「騎士が使者として婚約者に銀のばらを送る」なんて夢みたいな儀式って本当にあったんかいな?」
おおつ「以前、R.シュトラウスか台本のホフマンスタールの創作だと聞いたことがありますが」
びわ子「すごいこと考えるよな。創作力が豊富な人は違うわ。あんたもそれくらい頭のはたらく人になりや。今日のところはとりあえず寿司でも食うか?」
おおつ「言いたいことは分かったが、ここに書くのはやめとく」
びわ子「ええ!落ちなのに」
おおつ「これ以上続けたらやばいので、この辺りで終わりにしましょう。それではまたオペラを観に行きましょーねー」
びわ子「またオペラを観に行きましょーねー。近くに回転ずし屋さんあったかな?」