1週間以上前ですが、京都市交響楽団第687回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール。2024年3月16日。
指揮は広上淳一さん。
ピアノ独奏はジャン-エフラム・パヴゼ。
曲目は
バルトーク:ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ:交響曲第3番
バルトークのピアノ協奏曲第2番は、私としてはバルトークの中で一番好きな曲。バルトークの尖った曲想を思いっきり出しきって、ほのかにバルトークらしい素朴な面も垣間見せる。バルトークは「ピアノは打楽器」と言ったそうだが、それを体現するような激しいピアノ。
この曲を聴けるとなると、絶対に外せない。
まずは期待のバルトーク。
ピアノの音の強さが凄い。音が大きすぎて耳にピーンとくる。音の激流。こんな音を待っていた。まさにピアノは打楽器。滑らかさより、こんな荒っぽい音を求めていたのだと思う。このピアノでこの曲を聴けて涙がでるほど感激した。
オケはピアノの激しさに比べると丁寧で美しい。迫力は十分で、ピアノとの対比がすごかった。
第一楽章はトランペットが大変すばらしかった。また、第二楽章前半のピアノとティンパニとのやり取りの緊張感よ。そして、第三楽章のピアノとオケが力を合わせた力強い大合奏。ピアノと管弦楽の一体感も十分で、この曲の真価を明確にしたと思う。
この激しい音の連続の中にほのかに漂うハンガリーの雰囲気。まさに心を揺さぶるバルトークだった。
ソリストのアンコールあり。ドビュッシー「喜びの島」。滑らかなピアノも美しい。
後半はラフマニノフ。
前半の迫力があまりに凄かったので、後半のラフマニノフは消化不良。曲がメロディアスでラフマニノフらしいなと思った。演奏は大変良くて、京響の実力を十分に味わえたと思う。
それにしても、バルトークはすばらしかった。こんな演奏でこの曲を聴けるなんてもう感涙もの。この曲の実演に接したのは20年ほど前に関西フィルで聴いた1回だけ。その時は欲求不満だったが、今回見事に上書きできた。
ピアニストのパヴゼさんのピアノが大変すばらしかったから、このバルトークが実現できたと思う。パヴゼさんに大感謝。それを支えた広上・京響も大変良かった。
バルトークの大好きな曲をすばらしい音楽で楽しめて大満足の演奏会だった。