2024年1月パリ・ウィーン旅行2『椿姫』の感想 |   kinuzabuの日々・・・

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パリ・オペラ座バスティーユでヴェルディ作曲歌劇『椿姫』を観た。2024年1月27日。





この旅行で観る唯一の人気オペラかな。

演出はサイモン・ストーン。歌手で知っている人はテジエぐらいか。ジェルモンパパに期待している。


演出は、舞台上に大きな立方体を配置し回転させ、その側面に映像を写して、舞台を表現。特にインスタのような画面を使い、ヴィオレッタとアルフレードの写真にいいねがいっぱいついたり、1幕後半で立方体が回転しながら、ヴィオレッタがパーティの裏手までアルフレッドを追いかける様が生々しかった。

立方体の裏からプロジェクターで映像を投影していたのだろうけれど、立方体の壁は薄いので、あんな短い距離であれだけ大きな映像を投影できるんだなと、感心した。

回転する立方体はときに3方が開いて、パーティ会場、公園、サナトロリウムに代わる。3幕では、1幕に出てきた映像や装置が回って楽しかった時の様子が走馬灯のように表示されて、悲しい気分になった。

 

最後は真っ白な立方体の中にヴィオレッタが入って幕。すべてが終わったということだろうか。


歌手はヴィオレッタのNadine Slerraが力強く、一幕最後の高音を出して会場を沸かせた。少し音程に難があるが全幕を通して突き抜ける迫力は十分だった。。

アルフレッドのRené Barberaとてもよく、高音の伸びや声の強さは十分で、安定感がすばらしかった。

ジェルモンのテジエは、もう職人芸。プロバンスの海と陸なんてこんな迫力満点な歌はなかなか聴けない。

指揮のサグリパンティはゆっくり目の指揮で、ある程度歌手の自由にさせるが、締めるところは締める、なかなか良い指揮だった。

問題は合唱。オケもかな。こんなに合わない合唱のヴェルディはかなわん。指導者に難があるのか?それにしても折角ソリストが頑張っても合唱があかんと印象が悪い。

ということで、合唱以外はほぼいい公演だったっと思う。経験上、パリオペの合唱とオケには難があると思っている。頑張ってください。