パリ3番目の演奏会はヘンデル作曲歌劇『アリオダンテ』演奏会形式。会場はフィルハーモニー・ドゥ・パリ、2023年10月2日。
昨年以降、パリで、ヘンデルの『アリオダンテ』に接するのは3回目。題名役は、1回目はファジョーリ、2回目はダンジェロ、そしてこの3回目はレア・デザンドレ。贅沢ではある。でも、ほかのヘンデルも聴きたい。
クリスティ御大は黒ずくめに赤い靴下で登場。えらくかっこいい。
演奏会形式で、装置も何もないが、歌手はしっかり演技をいれて、オケの周りを動き回る。それだけで場面の雰囲気がわかるような感じ。
歌手は、題名役のデザンドレは会場が大きいせいか少々声量が物足りないが、英雄のメゾとしてはいいところに行っているように思う。正確な音程、中性的な声、張りのある動き、期待以上。
ポリネッソ役の唯一のカウンターテナー、ユーゴー・カッティングは明るい声がしっかり出ていて、音程もよく、演技も抜群。赤いシャツがとても似合っていた。日本人で言えば西川貴教を思わせる風貌。
ダリンダ役のAna Vieira Leiteもしっかりした歌を歌ってくれてよかった。演技もよい。一方、ジネーブラ役のAna Maria Lobinも悪くはないがあまり印象に残らなかった。
他の人も良い声で、しっかり演技しており、音楽も物語も楽しめた。
指揮、管弦楽はさすがのウィリアム・クリスティにレザール・フロリサン。むっちゃ美しい管弦楽と合唱を堪能した。本当にこの組み合わせはすばらしい。前日のピグマリオンの迫力とは全く違う透明な美しさ。古楽オケもいろいろあるよね。
レザンドレは、聴き所の、Scherza infida、Dopo notteともに聴きごたえがあった。後者はデザンドレがクリスティ御大を誘って一緒に踊りながら歌った姿も面白かった。御大も踊るんだ。
20時に始まって帰れる時間に終わるんだろうかと思ったが、23時過ぎに終わった。いろいろカットしてたんだろうな。
すばらしい『アリオダンテ』が聴けて楽しかった。