びわ湖ホール 沼尻竜典オペラセレクション,NISSAY OPERA 2022,ロッシーニ作曲オペラ『セビリアの理髪師』を観た。会場はびわ湖ホール、2022年11月26日。
配役は以下。（26日の配役です）
この公演は、日生劇場制作の舞台をびわ湖ホールで上演するものという理解でいいのかな？企画・制作が日生劇場だし。
ところで、わたくし、最近は欧州等でレベルの高い公演を観ているので、今回はどこまでやってくれるのかな？なんて上から目線で会場に行った。
でもそれがもうすごかった。むっちゃ楽しめた。
序曲の前半こそ遅くてぬるいなと思ったけれど、あとは緊張感の連続。
一番よかったのは、バルトロ役の黒田博さん。どすのある声で声量も豊に悪役を演じる。これ以上ない配役だと思う。
アルマヴィーヴァ伯爵役の中井亮一さんは、最初は高音に不安があったけれど、後半は持ち直して、すばらしいアリアを披露してくれた。ラストのアリアは迫力あって技巧もすばらしくてすごかったわ。
フィガロ役の須藤慎吾さんもよかった。安定感抜群で、声も張りがあった。
ロジーナ役の富岡明子さんも安定していて、早口でもしっかり声が出ていた。
一人のアリアでも、複数人のアンサンブルでも、とても美しくて、楽しくて、輝いていた。
演出はとてもよかった。工夫がいっぱい。回転舞台に舞台を設置して、幕の開け閉めと回転の角度と小道具の配置で、場の雰囲気を出していた。動きがあり舞台装置が大きく見える様な仕掛け。これには満足した。
沼尻さんの指揮と日本センチュリーの管弦楽は、ロッシーニの快速感はそれほどでもないけど、不満もなく、この公演をしっかり後押ししていたと思う。
ということでたいへんいい公演を楽しめた。最初の上から目線なんて吹っ飛んで、にこにこしながら会場を後にした。こんな公演が楽しめるなら、国内のオペラも行かないとね。