青山貴・バリトン・リサイタルの感想 びわ湖ホール小ホール シューマン、J.S.バッハ、ワーグナー |   kinuzabuの日々・・・

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青山貴・バリトン・リサイタルに行ってきた。会場はびわ湖ホール小ホール。2021年9月19日。

 


びわ湖リングでヴォータンを立派に歌い切った青山貴さんのリサイタルということで、これは絶対に行かねばならぬ!とチケット購入。

 

ピアノ伴奏は髙田絢子さん。

 

プログラムは
シューマン:『詩人の恋』
J.S.バッハ:『クリスマスオラトリオ』より
ワーグナー:『パルジファル』より、『ワルキューレ』より

 



前半は詩人の恋全曲。

深いバリトンの声で、柔らかくしっとりした歌。ワーグナーとは全く違う姿が見える。どうしてもワーグナー基準の視点になるなあ。


休憩後の後半はまず、クリスマスオラトリオから2曲。

どちらも丁寧ですっきりとして雰囲気がいい。最高のバッハとまでは行かないが、十分楽しめた。


ここまではしっかり聞いてなかったかもしれないので、あっさりした感想になってしまった。


でも、ワーグナーはしっかり聴いた。

まず、『パルジファル』より2曲。アンフォルタスの1幕の歌と3幕の歌。

ここまでのプログラムと歌の雰囲気、声の色が全く違う。ピーンと張りつめた緊張感の中の激しい声に心が揺さぶられる。すばらしいアンフォルタス。でも、青山さんならまだこのレベルで終わるはずがないとも思えた。

最後は、『ワルキューレ』から、3幕最後の歌。

ここで、最高の歌を持ってきた!すごい迫力に強い悲しみ。声の強さと感情の豊かさに呆然。極めて高度なワーグナーの歌を存分に楽しめた。


アンコールは『タンホイザー』の夕星の歌。これは、ちょっと疲れが見えた感じ。でもありがとう。


やっぱり青山さんはワーグナーのイメージが強くて、前半もよかったけど、後半のワーグナーに痺れた。アンフォルタスは来年3月のびわ湖ホール『パルジファル』公演まで指揮者や演出家と詰めていくそうで、より一層公演が楽しみになった。

青山さんのお人柄も出て、アットホームなリサイタルだった。またリサイタルでもびわ湖に来てください。