ワーグナー特別演奏会の感想 ザ・シンフォニーホール 2021年1月23日 飯守泰次郎 池田香織 |   kinuzabuの日々・・・

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飯守泰次郎×関西フィル、ワーグナー特別演奏会に行ってきた。会場はザ・シンフォニーホール。2021年1月23日。



指揮は飯守泰次郎さん。
ソプラノ独唱は池田香織さん。
バリトン独唱はミヒャエル・クプファー=ラデツキーさん。
管弦楽は関西フィルハーモニー管弦楽団。

曲目はオール・ワーグナー・プログラム。
タンホイザー:序曲/「厳かなこの広間よ」/夕星の歌
トリスタンとイゾルデ:前奏曲と愛の死
ワルキューレ:ワルキューレの騎行/ヴォータンの別れと魔の炎の音楽
神々の黄昏:ジークフリートの葬送行進曲/ブリュンヒルデの自己犠牲


大阪国際フェスティバルの公演で、関西フィル創立50周年記念公演とのこと。コロナで2020年6月から延期になっていた。

歌手も変更になり、ソプラノがリカルダ・メルベートから池田香織さんになった。バリトンも変更になるところだったが、クプファー=ラデツキーさんが何とか入国し、14日間の自己隔離を経て歌ってくれた。

会場では一階前5列を空席にしてソーシャルディスタンスを取っていた。歌手は舞台最前部中央で歌うのでしかたないか。


さて、公演が始まる。飯守さんの覚束ない脚とやせた姿に心を痛めたが、音楽は変わってなかった。


最初はオケに力がないな(特に弦)と思ったけれど、木管金管に存在感が増してきて、気分良くワーグナーの音楽を楽しめるようになった。


池田さんの歌は、安定して余裕があって、決して絶叫調にならない。熱いけれど、慈しむような優しさがあり、ワーグナーの音楽の母性を感じさせてくれた。顔の表情もゆたか。役になり切っている姿はまるで舞台をみているかのようだ。

愛の死はとても優しく、ブリュンヒルデの自己犠牲は激しく熱い。


クプファー=ラデツキーさんの歌は、滔々としていて、迫力もあったけれど安定感が抜群だった。夕星の歌のやさしさ、ヴォータンの別れの歌の切なさ。大変すばらしいものだった。


飯守さんの指揮は、聴いていて大変気持ちよくて、ワーグナーの魅力を存分に引き出してくれた。なんだか、各曲の終わりを伸ばし気味のように感じたけど、歌手も大変だったかも。

 

関西フィルもよかった。始め弦が弱く感じたのは12型だったからかな。


ワーグナーを堪能した公演だった。これだけいい演奏いい歌で抜粋を聴くと、全曲聴きたくて仕方ない。やっぱりリングを一気に聴きたいよう。コンサートに行って、こんなに欲望が湧いてきたのは初めてかもしれない。