京都市交響楽団第649回定期演奏会の感想 京都コンサートホール 2020年9月13日 |   kinuzabuの日々・・・

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京都市交響楽団第649回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール、2020年9月13日。



指揮は、広上淳一.

曲目は、
スメタナ:『売られた花嫁』序曲
ヤナーチェク:シンフォニエッタ
ドボルザーク:交響曲第9番「新世界より」


会場は思いのほか人が少ない印象。1席間を置く千鳥配置なのはわかっているのだが、特に3階席に人が少ない。確か、この公演は一般発売はなく友の会会員のみの入場だったので、こんなことになったのかもしれない。

舞台上のオケの配置はこれまでの定演より密になっているように見えて、やっぱり管弦楽はこれだよねと思った。12型の配置に2管編成。金管もいつも通り。いろんなところに遮蔽版があるのが大きく違うところ。

 

舞台裏のP席はバンダが入るようで、席が取り外され、楽譜台と椅子が配置されていた。


1曲目の『売られた花嫁』序曲。多分初めて聴いたと思うが、色彩豊かな演奏。弦から管、管から弦にテーマが移動するときの豊饒な美しさに目を瞠る。スラブ系の旋律?が心地よく、いいテンポで最後までしっかり演奏してくれた。

2曲目のシンフォニエッタ。聴いたことあるはずと思っていたけど、初めて聴いたようだ(^^; 13人のバンダの澄み渡る金管の音が染みた。こちらは色彩より透明な美しさで魅了してくれた。

休憩挟んで3曲目。「新世界より」。これは何度も何度も何度も聴いている。そのためか、私の中ではちょっと擦れた感じで、新たに聴きたいとあまり思わない曲。でも今回の演奏ではそんな思いをしっかり壊して、楽しく聴かせてくれた。

何が良かったかというと、テンポがゆっくりで、じっくりと聴かせてくれたこと。なじみやすいけど早く軽い曲という印象が、すっかり変わって、丁寧で重い曲になった。指揮によってこれだけ印象が変わるとは思わなかった。

実は、以前このホールで、ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団のコンサートで「新世界より」を聴いたことがある。この時は、極めて美しいけれど、やっぱり「新世界より」やな、と少々残念に思った。今回は、しっかりと面白い「新世界より」を聴けた。いろんな解釈を楽しめるのはうれしい。


今回の演奏会は曲目が東欧系の作曲家のものばかりだったが、どれも全く違う印象で、多彩な音楽を楽しめた。なかでも「新世界より」が楽しめたのが新鮮で、よい指揮、よい管弦楽に恵まれた、よい演奏会だった。

次の京響の定演もまた楽しみにしている。