『吉例顔見世興行』の感想 京都四条南座 2018年12月夜の部 |   kinuzabuの日々・・・

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京都顔見世、12月夜の部に行ってきた。歌舞伎2回目。こんなに早く再訪するとは思ってなかった(笑

席は、3階席右の奥の方。こんな感じで舞台が見える。舞台上手側が見切れるが、花道はよく見える。

 



お話は以下。

1.『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』の『木の実』『小金吾討死』『すし屋』
話の概略は、悪さを働くいがみの権太が、父がかくまっていた平維盛を自分の妻と子を身代りにして助けるのだが、それを知らない父は権太を切る。実は、源氏側の大将は首が維盛ではないことを見破っているにもかかわらず見逃していた。それが明らかになって、維盛は出家する。

うーん、前半の概略が飛んだな。2時間半もある演目なので、仕方ないよね。

とにかく権太役の仁左衛門さんがよかった。声が通って、せりふ回しも活きがいい。ただ、舞台が見切れて、最後の場面が良く見えなかったのが残念。

身代りになった家族が、源氏側に引き立てられるとき、妻と子が権太を見つめるところで、もう涙があふれた。

2時間半もの長丁場、一気に見入ってしまった。最後は滂沱の涙。ううう。


2.面かぶり
踊り。途中で面をかぶったり、服を早変わりしたりする。


3.『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』の『浜松屋見世先』より『稲瀬川勢揃い』まで
話の概要は、女性に変装した弁天小僧が、呉服屋で悶着を起こす。呉服屋が場を収めようとするが、男であることがばれ、その通りと名乗りを上げて、はした金を持って逃げ帰る。後半、5人の盗賊が現れ、名乗りを上げた後、満開の桜の元、取締りの十手持ちと大立ち回りする。

弁天小僧の愛之助が一番目立つ。他はあまり言葉が聞き取れないので、ちょっとイラついた。でも、歌舞伎らしい華やかで明るい舞台はほんとに楽しい。


4.三社祭

すみません、弁天娘終了時点で夜21時30分だったので、これは観ずに帰宅しました。


今回は『義経千本桜』がとてもよかった。悲しい話ではあるけど、恩人へ報いる心、小悪人の改心、すべてが明らかになった後の出家等、潔さがいろんなところで現れる。いいねえこういうの。

あとで調べると、維盛の最後について定説はないが、補陀落渡海で海に出たという言い伝えもあった。補陀落寺の住職は渡海して海に果てるのが習わしと聞く。維盛は出家して補陀落寺へ行ったとすれば、そういう運命だったことになる。そう考えると、ほんとに悲しい物語だなと思う。

歌舞伎って、日本の故事と美学が合わさって構成されているのだと、初心者ながら、感じ入った。


ところで、実は、後日、12月の昼の部にも行くことになった。これも大変楽しみ。