イーヴォ・ポゴレリッチ リサイタル大阪公演の感想 ザ・シンフォニーホール 2018年12月2日 |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

イーヴォ・ポゴレリッチのピアノ・リサイタルに行ってきた。会場は大阪のザ・シンフォニーホール。2018年12月2日。

 

 

リサイタル会場の開場は14:00だったが、リハーサルという話で14:30までホール内部に入れなかった。多分いつものようにホールの音響を試すように弾いているだけだと思って、OKが出てホール内部に入ると本人が普段着でぽろぽろ弾いていた。

 

客の入りは7割ぐらいか?前方は上手側に空席が目立つのはピアノだからだろう。

さて、一曲目、モーツァルトのアダージョ。ホールの舞台まで暗めの照明。

曲の印象は、ゆっくりだなあというぐらい。曲は流麗で音はきれいだけど、欲求不満。次に期待。


で、二曲目、リストのピアノソナタ。

すごい迫力で美音が迫る。音が太い。ドスが利いてピアノが震えるような重低音、光がはじけ飛ぶ転がるような高音、ちょっと腕が動くだけで響き渡る大音響、静かだけど芯のある弱音が、ばしばし来る。

早い節回しもよいけれど、じっくりテンポの部分はほんとに遅くて、でもしっかり音型を構築しているのか、全く崩れない。これを聴くのはもう快感といっていい。

前半からこれか!もう帰ってもいいぞ!


といっても、もちろん帰らず、後半のシューマン。交響的練習曲ということだが、会場に曲が書いてあった。



最初は、おとなしくて、リストの爆演を聴いた頭には少々欲求不満。でも途中から音の響きが変わり、ぶ厚い音響を堪能した。テンポは昔の録音とあまり変わらない印象だけど、より重厚なのは実演だからかな。最初は小さく始まって最後は大きな伽藍を構築するかのような音楽、でも熱くはならず、クールなピアノだったと思う。


今回の演奏会は前半のリストが最高だった。こんなピアノは何度でも聴きたい、音圧を体感したい、音のシャワーを浴び続けたい。期待に十二分に応えてくれたすばらしい演奏。たまりませんわ。やっぱりこの人のピアノはすごい。

 

今回の会場の入りは悪かったけれど、また関西に来てくれることをこころより願っている。