ハンガリー国立歌劇場『ランメルモールのルチア』の感想 グルベローヴァ フェスティバルホール |   kinuzabuの日々・・・

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ばる子「みなさーん、こんにちわー!」

おお阪「こんにちは。今日(2017年11月12日)は大阪のフェスティバルホールに来ています。ハンガリー国立歌劇場の公演でドニゼッティの歌劇『ランメルモールのルチア』を観に来ています。メインはルチアを歌うグルベローヴァの歌です」

 


ばる子「この前、びわ湖ホールで聴いた人やんな」

おお阪「そうです。びわ湖では後半はすばらしかったですが、前半はちょっと残念な歌だったので、今日はどうなるのか不安です」

ばる子「まあ、なんとかなるんちゃうか?根拠ないけど。で、今日はどんな話なん?」

おお阪「ルチアは兄と対抗する家の人と恋に落ちます。恋人が不在の間に、兄がルチアをだまして他の人と結婚させるのですが、結婚の署名の場に恋人が突然現れます。動転するルチア。そして新婚の床で結婚相手を殺し、狂乱し、自死します。恋人もルチアの死を知って自死します。以上」

ばる子「二人とも死んじゃうのね」

おお阪「悲劇ですからね。なお、このオペラ、ルチアが狂乱する、いわゆる狂乱の場が聴きものです。ここでグルベローヴァがどう歌ってくれるのかが大変楽しみです。それでは会場へ行きましょう」



(一部、二部、全部観ました)



ばる子「うぉー!」

おお阪「うぉー!!!!!」

ばる子「むっちゃすごいやんか、なんでこんな歌を歌えるんや!」

おお阪「狂乱の場はすごかったですね。さえずりのような小さな声から、怒涛のような大きな声まで、低音から高音まで、見事なまでにコントロールされて、決してぶれない。70歳の今も全く衰えていません」

ばる子「音が小さいとき、観客がめっちゃ静かやったな」

おお阪「それだけ会場中が集中していたわけですね。とてつもない歌を皆で共有していたのです」

ばる子「でも聞かせどころで、高音が上がりきらんかったような」

おお阪「そうかもしれません。でも、あれだけの迫力がある声を、ホール全体に響かせてくれて、もう圧倒されました。すごい体験でした。もちろん、狂乱の場だけではなく、そのほかの歌も全く手を抜くことなく最初から最後まで完璧にルチアを演じきってくれました」

ばる子「絶賛やね。ほんとすごかったわ。で、ほかはどうやった?」

おお阪「そうですね、歌手では、エドガルドのバルツォーは力のあるテノールですばらしかったです。彼がいたから、ルチアの劇が引き締まりました。他の役の人も悪くなかった。この手の『主役だけ有名人外来オペラ公演』としては、歌手は大変良かったです」

ばる子「管弦楽とかはどう?」

おお阪「管弦楽も悪くなかったです。指揮が、前回びわ湖でも振ったヴァレントヴィッチですから、しっかりと音楽を作ってくれました。合唱はまああんなもんかな」

ばる子「演出は、あかんかったな」

おお阪「あれはちょと。舞台両側にバルコニーを配置して、間の広間で劇が進行します。人の動きで物語をつくるわけですが、合唱の動きが散漫で緊張感がまるでないんですね。二組の少年少女を配置して雰囲気を作ったり、時代のわからないような服や、抽象的なしぐさをしますが、全然効果がない」

ばる子「厳しいですな」

おお阪「音楽が素晴らしかったので、許せますけどね。そうじゃなかったら・・・」

ばる子「やっぱり今日はグルベローヴァかいな」

おお阪「はい。グルベローヴァ、ほんとに最高でした。こんな歌を聴かせてくれてもう言葉もありません」

ばる子「そのなんや、狂乱の場が終わった後、オペラが終わるまでずいぶん時間がかかるんやな」

おお阪「そうですね。その分、エドガルド役の人が頑張ってくれましたが、、、正直、はよ終われ、と思いました・・・」

ばる子「エドガルド役の人には悪いけどな」

おお阪「この公演の主役はグルベローヴァですからね。早く拍手したかった」

ばる子「いいオペラだったね」

おお阪「はい。演出に難はありましたが、まわりを支える歌手、管弦楽はすばらしく、グルベローヴァの至芸を存分に楽しめました。事前の予想以上に素晴らしい公演だったと思います」

ばる子「こんな歌手って他にもいるのかな?」

おお阪「難しいですね。でも、オペラの公演に行ったらまたすごい歌手に出会えるかもしれません。ですから、またオペラを観に行きましょう!」

ばる子「そうだね、だからオペラを観に行きましょうねー!」