小澤征爾音楽塾《フィガロの結婚》塾生のための特別発表会(びわ湖ホール、2014/3/21) |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

小澤征爾音楽塾の塾生のための特別発表会に行ってきました。演目はモーツァルト《フィガロの結婚》抜粋です。

これは通常は歌うことはない音楽塾公演のカバー歌手にも歌ってもらう場を設けようということで行われたものです。ですからどんな若い歌手が出てくるか楽しみですし、なんといっても、小澤さんのお話が聴けるということで行ってきました。

まず驚いたのは、オーケストラの位置です。ピットの床を客席の高さに上げ、ピットと客席の間の仕切りを外していて、客席最前列のすぐ目の前でオケが演奏するようになっていました。オケの後ろにいつもより高い位置に舞台装置。こんな舞台は初めての経験です。


オケのメンバーは、最前部の客席の入り口から現れて位置にきました。女性が多いな!指揮者が現れて序曲。オケはまとまってしっかり音を鳴らしてました。練習したんだろうな。

歌は各幕から3曲づつ。一人一人アリアを歌うのかなと思ったら、アリアあり、二重唱あり、合唱あり。2幕、4幕はフィナーレを全曲やってくれました。やっぱりフィガロはいいね!

歌手は、伯爵の大山大輔さんと伯爵夫人の竹多倫子さんが大変良かった。大山さんは声のはり、響きがいいね。演技もいい。立派だけどちょっと抜けた伯爵。竹多さんは、凛として力強い伯爵夫人。この人はワーグナーでも行けるんじゃないかと思ったら、エリザーベトも歌うらしい。この二人を聴けたら満足。

他はフィガロの寺田さんが優しく明るい声でよかった。ケルビーノの宮川さんも可憐な歌。「恋とはどういうものかしら」にはジーンときました。


小澤さんは、1、2、4幕の終わりに出てきて、1、2幕で少しお話してくれました。

・音楽塾でオペラを取り上げるのは、小澤さん自身日本では交響曲ばかりやってオペラを勉強することがなかったから。ウィーンでカラヤンにオペラと交響曲は車の両輪だからオペラもやらないといけない、と言われ、一生懸命勉強した。その経験からできるだけ若いうちからオペラに触れる方がいい思ったので、音楽塾をやりたいと言ったらロームと意気投合した。

・オケは日本、中国、台湾から集まってくれた。各パートに先生が付いて、細かく指導してくれる。こんな機会はめったにない。

・オケが幕ごとに立つのは、小澤さんのアイデアで幕ごとに違うパートを演奏することにしたため席を移動するから。演奏する人は嫌でしょうけどね。

・今年で何回目だったか?(11回目)演目は何だったかな?(フィガロ、こうもり、セビリアの理髪師、、、)そんなにやったんだ。こんな話をするために出てきたのかな(笑)

というような内容で、早口で笑いながら楽しくお話を聞けました。客席前に出るときも、舞台袖(と言っても客席の出入り口)へ下がるときも駆け足スタイルで、なんか、小澤さんらしいなと思いながら、話を聞いて、姿を拝見しました。

小澤さんは元気そうでした。まだまだ頑張ってくれるんじゃないでしょうか。


といこうことで、予想以上に大変楽しい一時間半でありました。
行ってよかった。