イタリアのオペラはイタリアの歌劇場が一番!(大阪のフェニーチェ歌劇場特別コンサート) |   kinuzabuの日々・・・

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大阪フェスティバルホールのこけら落とし公演、フェニーチェ歌劇場引っ越し公演の特別コンサートに行ってきました。プログラムはヴェルディの「リゴレット」からの抜粋と「椿姫」第二幕。

大阪が誇るフェスティバルホールの再オープンだけあって、お越しになる皆様の服装にきらびやかなこと。男性はしっかりと正装の人が多く、女性も美しく着飾ってちょっとびっくりしました。

一方、オケのメンバーに軽そうなお兄ちゃんとゴージャスなお姉ちゃんがいて、いやあイタリアっていいな。


前半は「リゴレット」の抜粋。前奏曲もテノールのアリアもなんだかピンときません。チョンさんの指揮はゆるいし、管弦楽も薄い。テノールは声量はあるけど声の質は何とかならんのか。

この悪い印象を払しょくしたのは合唱。ふわっと、柔らかく始まり、美しくそろった歌唱。優しいけれど強いところもいい。合唱の時は管弦楽もがんばって、チョンさんのドライブ感も圧倒的。合唱があるときとない時で、印象が全然違う。歌手ではバカノバの声がきれいでした。


後半は「椿姫」第二幕。一転してオケが雄弁、音色が軽くて明るいねえ!指揮も激しい。のりのりな第一場。バカノバさんのヴィオレッタは声も姿も美しいけれど、キムさんの歌がなんとまあすばらしいことよ。前半の「リゴレット」では何とも思わなかったのが、ジェルモン・パパになって迫力、声の質、音程、歌の雰囲気、すべてハイレベル!若そうだけどすごいですね。チョンさんがつれてくるだけあるわ。プロバンスの海と森なんて最高。これでテノールがそろえば、、、

第二場。合唱登場。ここで初めて女性合唱登場。やっぱりゴージャスなお姉ちゃんがいるなあ。合唱は本当にすばらしいね。ぴったり合って迫力十分、歌劇場の合唱だけあって雰囲気もいい。姿勢もしっかりしている。

それにしても、ゴージャスなアンニーナって(^^

マタドールの音楽では、打楽器が面白かった。2mぐらいの長さの赤い棒を二本持って縦に床にたたきつけていた。音楽とともに奏者が大きく体を動かして音を出し、見ている私もリズムに合わせて体を動かした気分になる。たのしいね。それにしてもなぜ棒を赤くしているのかが疑問だ(^^

ラストの合唱もよかった。管弦楽もいい。でも指揮にちょっと乗れなませんでした。皆がヴィオレッタに同情している間とアルフレッドが決闘を歌う間の演奏に差がありすぎてね。こんな演奏もありだとは思うけど。


アンコールは椿姫の乾杯の歌。隣のご婦人が「予想してた」っておっしゃっていました。


前半の「リゴレット」ではこんなものかなと思ったけれど、後半の「椿姫」では力強く、はかなく、美しいヴェルディのオペラの世界に浸ることができました。明るく優しい音色のイタリアのオケと柔らかく美しい合唱。そして、曲に向き合うひたむきさを感じました。この曲は俺が弾くんだ!って感じ。イタリアのオペラ劇場はヴェルディのそれも「椿姫」ともなると思い入れが違うのかもしれません。イタリア人の誇りでしょうかね?

やっぱりヴェルディはイタリアの歌劇場で観るのが一番なのかもしれません。そう思ったコンサートでした。