新・大阪フェスティバルホールはなかなかいいね(思ったことのなぐり書き) |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

大阪フェスティバルホールの再オープンで、ホールを探検したので、それで思ったことを書いてみる。文中、旧フェスは建て替え前のフェスティバルホール、新フェスは建て替え後新オープンしたフェスティバルホール。

いろんな意味でいいホールだと思うよ。

ちなみに、新フェスで聴いた席は3階4列左側。急傾斜がついていて舞台を見下ろす感じだけど天井の圧迫感はなし。


●音響について

1.音量
新フェスではオケの音はそれなりに聞こえ。そりゃあザ・シンフォニーホールみたいに音にどっぷりつかれる方がいいけれど、これだけ聞こえたら十分。特に金管がよく響く。独唱者の歌は散漫になり、どうしても音量も小さくなるが、声の芯は残る。散漫で拡散されるだけではないので歌は歌として楽しめ

2.明瞭さ
旧フェスの2階奥では音が混濁してごちゃごちゃした音になったが、新フェスは3階席でもクリア。

3.音の指向性
旧フェスは歌手が向く方向への音が大きく、別の向きになると音が小さくなった。これは多分、ホール形状が横幅より天井高の方が小さく、天上からの残響が大きいからだろう。天井からだから縦の反射音になり、指向性があったのだと思う。一方新フェスでは指向性を感じなかった。横幅も天井幅も広がったためだろうけれど、一次反射音は小さくなっているはずだから、音も小さく散漫になると思われる。三階は良かったけれど、一階はどうなっているか興味がある。


音がそれなりに聞こえ、声の芯が残るのは旧フェスも同じ。少なくとも3階では新フェスの音は旧フェスと似ていてそれがクリアになったように感じた。個人的な印象としては、ザ・シンフォニーホール、びわ湖ホールとは比べ物にならないが、兵庫県立芸術文化センター大ホールとは同等、オーチャードホール、NHKホールみたいなことはないと思う。


●ホールの設備について

1.エントランス
新フェスは赤い絨毯が豪華。ここまでするか!という感じ。非日常の演出が凄い。旧フェスはエントランスからすぐ1階廊下へ行けたが、新フェスは長い廊下を歩いてエントランスに入りチケットチェックを受け、逆方向の長いエスカレータに乗る。これが長く、遅く、段差が低い。気の短い関西人には我慢できないかも。ちなみに帰りはホール反対側のホワイエから一階中央通路に下がる階段が、さらにエントランスに降りる階段として開放されるので、こちらを使うほうがいいかもしれない。

2.ホワイエ
新フェスでは一階から三階まで吹き抜けにして、各階のホワイエバルコニーではりだしていた。新国立劇場のホワイエを長く細く高くした感じ。もっとも、舞台反対側は壁で、上が暗めなので、他のホールでは体験したことがない独特の雰囲気がある。

3.トイレ
新フェスのトイレは各階二箇所(だと思う)。数は多い。スペースは狭いが、器の数は多い。ただ私が入った男性トイレは、個室が二つしかなく、こちらの用途では結構混雑するかも。

4.エスカレータ
新フェスは最上階の3階までエスカレータで行ける!こんなホールは初めて。


●ホールの客席について

1.座席
新フェスの座席は旧フェスとは比べ物にならないほど広く感じる。背もたれも厚く、座面のすわり心地は最高。ホールでこんないいシートに座ったことがないと思う。これなら長いオペラでも不安がない。

2.傾斜
新フェスの3階席の座席の傾斜はかなり急になっている。転げ落ちそうだが、旧フェスの2階奥のような恐怖感は感じなかった。

「音楽と音響と建築」(ベラネク著、鹿島出版会、昭和47年)という本に旧フェスの断面図スケッチが載っているので、ホールが公開している断面図PDFと比較してみた。高さは旧フェス2階は新フェスの2階と3階の間にあり、傾斜も旧フェスの2階は新フェスの2階と3階の間にあるようだ。

なお、通路の転落防止柵は公演が始まると折りたたまれて観客の司会の妨げにならないように配慮されていた。

3.ボックスシート
普通のシートより明らかにスペースが広くゆったりしている。そういう設備の差が旧フェスより大きくなっているような気がする。壁にあるベアボックスシートは視界はなかなかよさそう。壁際だから音もいいと思う。ただ、2階席、3階席から丸見えで座るのに勇気がいりそうだ。


●その他

1.舞台
舞台を見ると、新フェスの舞台の白い色が目に焼き付く。多分、旧フェスも同じ色だったのではないかと思う。懐かしくなって、ああ、フェスにきたんだと思った。

2.舞台間口
旧フェスより明らかに高い。旧フェスの細長かった印象がまるでない。座席からの視界ではこれが一番変わったことだと思う。

3.舞台上のオケの設備
反射壁にはホール壁面の凸凹と同じような凸凹があっ。なんか異質ではある。演奏者の椅子は以前と変わらないようだけど、大フィルの定演では折りたたみ椅子を使っていた時代があるので、在阪のオケが使う時の椅子が気になる。

4.舞台側から客席への眺め
客席最前列中央で舞台に持たれて客席を眺めてみた。1階席、2階席、3階席とも、座席がほぼ横一列の直線状に見えた。どの席からも舞台が見えるぎりぎりにおしこめた感じ。眺めていて大きなホールだとは思わなかった。その辺は以前のフェスも同じだったような気がする。

5.自動販売機
旧フェスにもあったが、新フェスにもあった。3階。これなら、持込み飲食も文句言われないですむかな(^^


以上、一回目にホールを探検して思ったことを書いた。また回を重ねてホールを味わいたいと思っている。