- ボローニャ歌劇場びわ湖公演《清教徒》9/11
今回は「指揮者のマリオッティ版と呼ぶべきもの」とプログラムに書かれていて、今までの清教徒とは違って三幕もの。アルトゥーロの出番が多く難役になっているそうだが、その役を歌うフローレスがキャンセルしてしまった。
リッカルドのガザーレもつらい。何とか代役は決まったがどうなることかと思ったが、結果的には大変すばらしい公演だった。
最初はオケも合唱もばらばらでどうなることかと思ったが、そのうち快調になって、ああ、イタリアオペラだなと思った。最後は指揮者に締め上げられていた。その分終わりの集注力はすごかった。
歌手は、エルヴィーラのランカトーレは、高い声を出すために準備が必要だったけど、決めるところは決めた。でも低音のいやな響きが気になった。でもマリオッティ版では狂乱の場の比重が低いので全く問題なし。
アルトゥーロのアルベロは、輝かしい声のリリックテノール。高音を出すのに少し苦労していたけど、こちらも決めるところは決めた。フローレスの代役としては最低限の仕事をしてくれたと思う。
ジョルジョ役のウリヴィエーリは素晴らしいバス。こんな声の人がいると舞台が引き締まる。
問題はリッカルドのサルジ。声量は大きいが、荒い声で、テクニカルなフレーズを歌えない。2幕最後のジョルジョとの2重唱は、ジョルジョがあまりに素晴らしいだけに、舞台をぶち壊し。
でも、全体的にはまとまっていて大変良い公演だったと思う。指揮、オケ、合唱のなせる業だろ。サルジを除けば大きく崩れたわけでもないし、マリオッティ版でイタリアオペラを聞いた満足感がアップした。これまでの《清教徒》とは、似て非なるものという感じだった。
昨日のカルメンに続いて、今日も満足。イタリアの歌劇場はやっぱりイタリアオペラやね。暑かったけど天気も良かったし充実した土日だった。