こんにちは。きのひです。
「ペンギンと暮らす」 小川 糸 著 を読みました。
平成22年4月10日 初版発行
平成22年4月30日 2版発行
いつ頃からか著者は「ペンギンと暮らしてみたい」と思うようになりました。
鳥なのに空を飛ぶことができず、けれど泳ぎは上手でなんか不器用。
けれど東京でペンギンと暮らすのは無理です。
そこで「同居人の夫をペンギンだと思うことにしたのである」
そんな発想があるとは・・・
てっきりペンギンは「ペンギン」だと思ってしまった。
「本書はブログ『糸通信』を加筆・修正した文庫オリジナルです」
日記形式で日常のことが自由に書かれている。
1月7日のお題は「七草おこわ」
著者はゆうがた「ペンギンとテクテク」中華を食べに行きました。
その後ふらりと和菓子屋さんへ入ったら「春の七草おこわ」が売られていた。
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。
開けてしまうのがもったいないくらい、ステキなパッケージに包まれています。
「七草粥」はきいたことありますが「おこわ」もあるんですね。
京都調理師専門学校さんの記事に「七草粥を食べる理由とは?」がありました。
七草粥を食べる1月7日は「人日」 人を大切にする、という意味を持つ節句です。
「唐の時代では、人日の日には七種菜羹(ななしゅさいのかん)と呼ばれる、七種類の野菜が入った汁を食べて、無病息災を願ったと言われています」
「日本にはその後の平安時代になって、この七種菜羹という風習が伝わってきたといわれています」
その結果、七種菜羹と、元々日本にあった「若菜摘み」という風習が融合し、七草粥を食べる文化が浸透していく。
「江戸時代になると、幕府が人日の日のことを『人日の節句』として、1年間のイベントとして取り入れたことにより、1月7日に七草粥を食べる文化が確立されたのです」
七草粥を食べるのには、2つの理由がある。それは
「無病息災」「長寿健康」
七草にはそれぞれに意味や効能があります。
・芹(せり) 新芽がたくさん競り合って育つ様子から勝負に「競り」勝つという意味合いが込められている。胃を丈夫にする効果や解熱効果、利尿作用、整腸作用、食欲増進などの効果があるといわれている
・薺(なずな) 薺には「撫でることで汚れを取り除く」という意味合いが込められている。解毒作用や利尿作用、止血作用、胃腸障害やむくみに効果があるといわれている
・御形(ごきょう) 仏の体という意味合いが込められている。咳や痰、のどの痛みに対して効果があるといわれている
・繁縷(はこべら) 繁栄がはびこる、という意味合いが込められている。昔から腹痛薬として使用されており、胃炎や歯槽膿漏に効果があるといわれている
・仏の座(ほとけのざ) 仏の安座という意味合いが込められている。胃の健康を促し、歯痛や食欲増進などの効果があるといわれる
・菘(すずな) 現代でいう蕪(かぶ)のことで神を呼ぶ鈴という意味合いが込められている。胃腸を整え消化を促進し、しもやけ、そばかすにも効果があるといわれる
・蘿蔔(すずしろ) 現代でいう大根のことで「汚れのない清白」という意味合いが込められている。美容や風邪に効果があるといわれる
江戸時代は現代とは暦が違い、当時の1月7日は現代の2月初めとなります。
一年のうちでもっとも寒い時期、当時の人々は春の七草を集めるのにとても苦労したのではないか。
「大変な努力をして集めた春の七草を食べることで『健康になりたい』『長生きしたい』『病気の無い強い体を作りたい』と、強く願っていたのではないでしょうか」
ちなみに長居植物園さん「みんなのフォトアルバム」に「春と秋の七草」という記事がありました。
秋の七草は萩(はぎ)、尾花(おばな)、葛(くず)、瞿麦(なでしこ)、姫部志(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)
現在の植物の名前では尾花はススキ、朝貌はキキョウを指すとされている。
秋の七草は万葉集の山上憶良の2首の短歌に由来します。
「秋の七草は食べることはありません」
それにしても「あさがお」は「キキョウ」だったんですね。