と言っても現実の話じゃなくて「Left Alone」の作中時間のことなんですけどね。
第40章(76回)の朝のロードワークのシーンから、ようやく一日の終わりを迎えた第52章(103回)まで、これだけの文章量を費やして一日ってどういうことでしょう。
ちなみにタイムテーブルを作ってみると、
07:30 起床。ロードワークへ。
09:00 ロードワークより帰宅(物語はここから描写)、由真との会話を断片的にはさみながら、
藤田警部補、桑原警部と電話で話す。
10:20 自宅を出発。上社との会談が午後にずれる。武松俊(シュン)に電話を入れる。
唐突な告白の予感に当惑しつつもキャナルシティへ。
10:50 キャナルシティ到着。シュンとの会談。
12:30 上社と高砂の蕎麦屋にて会談。
13:20 薬院のロイヤルホストにて由真、千原留美との待ち合わせ。
14:10 二人を見送ってから中洲へ移動。
14:30 <ナカス・ハッピー・クレジット>にて火災報知機を鳴らすという暴挙に出る。
そのまま隣り合った上川端商店街まで逃走。
15:40 しばらくの潜伏後、立花の情報を得るため小野寺知巳(トモミ)の入院先を訪問。
(文中の記述はありませんが千鳥橋の総合病院。実在)
16:30 駐車場にて高坂菜穂子との電話会談。そのまま村上のリストの面子の検討。藤田警部補に
名前だけの三人の調査を依頼。留美と連絡をとり、合流のためにいったん平尾浄水へ。
17:40 留美と合流後、美野島の椛島博巳のアパート到着。留守のために一度は帰りかけるが、
吉塚正弘を目撃して引き返す。その後、部屋へ乗り込んでの大立ち回り。
18:30 吉塚の話を訊き出して現場を離脱。
19:40 留美のアパートで衣装合わせ。その後、留美の野暮用のために大名のモデル事務所へ移動。
その間に由真と電話で会談。
21:30 ホストクラブ<ラ・ロシェル>到着。
22:10 倉田兄弟よりも先に店を出て、国体道路沿いのカフェへ移動。遅れて到着した双子と会談。
23:00 カフェを出て向かいのローソン経由、双子のマンションへ移動。
23:20 権藤康臣による銃撃事件発生。最初に和成、その後に康之が撃たれる。
現場より逃走を図った権藤を真奈とシュンがジープで追跡。須崎埠頭のラブホテルへ。
23:40 真奈と権藤の対決。
24:00 現場に居合わせた刑事により、権藤康臣射殺。(51章はここまで)
24:30 真奈、博多臨港警察署へ連行される。
24:50 菜穂子、臨港署へ到着。接見のあと、真奈への事情聴取。
25:30 聴取終了。真奈の供述にしたがって捜査本部から守屋卓の自宅へ刑事が向かうが、
守屋と篠原が殺害されているのを確認。
25:50 上記の事実が真奈に知らされる。真奈と桑原、菜穂子による三者会談(52章はここから)
26:30 真奈、警察から解放される。迎えに来た由真とラブシーン(笑)
えー、そろそろ主人公から過労死認定をめぐって訴えられそうなハードスケジュールです。しかも103回で微妙なダウト出してるし(深夜2時過ぎを「日付が変わる時刻もとっくに過ぎて」とは言わんだろうな……。間違いとも言い切れんけど)
物語の展開上、あんまりゆったりやれないのも事実なんですが、これはちょっと詰め込みすぎたかなあ、と反省しきりです。
とか言いつつ、次の日も同じくらいハードなんですけどね(笑)
前にも書きましたけど、タイムテーブルを組むときに一番気をつけないといけないのは何といっても移動時間の計算ですね。
作中で描写されるシーンはおおよそのところで経過時間を把握できるんですけど、移動のシーンは何のイベントもないと1行で済ませたりしますんで、あとで計算して「あれっ?」ということになりがちです。
遠距離移動の場合は逆に計算しやすかったりしますけど、一番面倒なのが市内の移動。これは書き手の「あそこからあそこまでならだいたい何分」という感覚でやるしかないんですが、時間帯やドライバーの技量でまるっきり違ったりもしますんで頭の悩ませどころです。
実は上のタイムテーブルでも一ヶ所、ものすごく怪しいところがあるのですよね~。(それがどこかはヒミツ)
こういうのも実在の街を舞台にしたときの面白さであり、難しさなのです。まあ、好きでやってることなんで苦労ではないですけどね。(笑)
(福岡スナップを載せるのがこのカテで記事書くときの恒例になりつつありますが、上の写真は「La vie en Rose」で熊谷氏に「アールデコの出来損ないのような格子状の外観」と言われてしまっている福岡県警中央警察署。手前が博多大丸百貨店の別館エルガーラ、奥が済生会福岡総合病院。写真には写ってませんが真向かいが福岡市役所です。博多署もあんまり警察署っぽくありませんが(フツーのビジネスビルに見える……)これはこれで警察署にしては変ですよね~)