ゲイが語る映画の感想とクローズドゲイの日常

ゲイが語る映画の感想とクローズドゲイの日常

映画の感想が主ですが、たまにゲイアプリでの出会い報告もやってます。その時は(ゲイ話題)と書きますので、ゲイに対して理解のない人には、そっとページを閉じてくださいね。

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懐かしい映画を観ました。






公開当初に鑑賞した時はまだ学生だったので、人間関係の微妙なラインを掴み取れていませんでした。それよりも歴史的な人物と共演する演出が好きでした。



と言うのは、やはりジェニーの行動基準ですね。フォレストガンプって名前の映画だからついトムハンクスの名演技に目がいってしまうのですが、この映画は恐らくジェニーの物語です。



初めての通学バスで出会ってから、フォレストとジェニーはとても良い関係を築いているのですが、ジェニーの家庭環境が酷いために、彼女は社会に対して擦れた人生を送っていきます。それは意図せずに全て成功するフォレストとは正反対。



鳥になれたら、自由に飛べるのに。というセリフがあるのと、ジャンキーになってから、ベランダでふと飛びたくなる感情をリンクさせると、常にババを引いてきた彼女のギリギリの精神状態が出ています。死にたいけど、怖い。



ヒッピー集団の中で屯すのも、お互いにあまり干渉しない集団であったからかなぁと。些細な事で喧嘩はするのですが、フォレストがボコボコにするほどジェニーの男関係は悪いわけじゃ無いと思うんですね。



最終的にはエイズを発症して死が迫ってくるという局地に突きつけられて、フォレストを呼び出す。かなり自己中心的な考えでフォレストに接しているのに、彼はそんな深い事を考えられないのでフォレストは受け止めてしまう。


そこには彼らの息子の存在が大きいのですが、確実に死ぬと言う場面では既に彼女は達観していたのかもしれません。



普通の生活を送れなかった彼女の人生は、実は何度もフォレストによって救出されることが出来た別れ道が多くあります。



もし、あの場面で別の選択をしていたら? それは冒頭の「チョコレートの話」を身をもって証明しています。 開けてみないとわからない。。



ただ、その負のエネルギーが実はフォレストにとっては良いエネルギーになっていました。だからなのか分かりませんが、二人が一緒になった途端にその幸せは崩壊してしまいます。 



あのジェニーの病気がエイズだと、今回知りました。詳しくは言及してませんが、90年代前半から中盤にかけて多くのエイズ関連映画が多くありました。トムハンクス主演の「ファラデルフィア」や「マイフレンドフォーエバー」などなど。



今や「死なない病気」になりましたが、それでも陽性者は絶え間なく増えている。ちゃんと検査する必要がありますね。


もはや別物






CM繋ぎでカットされるのはわかるんですが、普通に本編中にブチッと場面展開されるのは初めて体験しました。



その後も、カットカットの大嵐。地上波放送するには枠が決まっているから編集されるのは分かってるのですけど、もうちょっと上手く演出してくれないものかなって思います。そういう意味では違和感なく、またストーリーを壊さずに編集するプロフェッショナルな技術ってのもあるんでしょうね。



NHKプレミアムでの無編集がどれだけ重宝しなきゃいけないかも肝に銘じます。



さて、物語はチャーリーシーン演じる大統領補佐官が政府陰謀に巻き込まれて狙われるアクションサスペンスです。



はちゃめちゃなストーリー展開なので、テレ東が魔改造する事以前にびっくりな演出も多くあるのですが、特に最後のテロリストの荷物とリモコン。あんなの持ってたら止めろよ!って思うわけですし、あのヘリがダメになった後で拳銃を持っていましたが、どこから手に入れたの?



携帯電話が普及し始めた頃なのでまだまだ公衆電話多用してますし、犯人も今ならスマホで対応していたかなって感じもします。



さらにテロが失敗した事でドナルドサザーランドが自決するんですが、そこまでするなら自分で大統領暗殺すりゃ良いじゃん。って思ってしまうんですね。



2001年以前と以後では、こう言う話もだいぶ毛色が異なっているなぁと感じました。ダメな大統領をすげ替えるために。。。という様な義憤がこもった作品って実際多いですよね?2001年以降はもうテロ組織=イスラムみたいに国家プロパガンダ満々の薄い作品ばかりになったような気がします。






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ただ摩訶不思議な世界を取り扱うだけでなく、世相や社会問題にも焦点を当てたエピソードです。

 

 

 

息子の大学進学を喜ぶ母。 父からの譲り者である古びたビデオカメラで何気なく息子の姿を撮影。 撮影中にトマトケチャップを服につけてしまった息子が、こんなダサいシーンも録画してたことを嫌がって削除してほしいと母に懇願する。

 

 

母は上書きをするために「巻き戻し」ボタンを押したところ、現実世界も巻き戻ってしまい、ケチャップを付けてしまう前の時点に戻ってきてしまっていた。

 

 

その後、ダイナーを後にした二人は差別主義者の警官に何度も行く手を阻まれる。 時には息子を撃たれてしまったりもするが、彼女はその度にビデオの「巻き戻し」を押してやり直すが、どんな手段を使っても警官は彼らを目の敵にして近づいて来るのだった。 彼女たちが逃れるための方法はあるのだろうか? というストーリー。

 

 

ジョーダンビールだからこその目線で語られる作品だと感じました。 時間を巻き戻しても同じ結末に至るのはドラえもんのセワシ理論のような展開です。 ダイナーでは普通の人のように描かれているのに、二人に対してはずっと疑いの目を向けてくる白人警官の執着が見物なわけですが、こんなことを日常茶飯事に向けられているということにこの物語を通して現実を目の当たりにします。 特にBLM運動が盛り上がった今年などは特に。運動と称して略奪行為など不当な動きも見えますが、根本を解決できないといくらたっても終わらない問題です。同じ境遇に立たされる可能性がある日本人の中でも白人側の視点しか見ることが出来ない人も中にはいるわけで、平等と言う言葉で自分の権利が目減りすると思っている人も。

 

 

話にいったん戻るとして、あのビデオカメラの性能に気が付いた母親が悪いことに使わなかったのが印象的です。 ただ息子を大学に連れていきたいという一心で使用するだけなのです。 そもそも、そんな余裕があるようには思えないほどの展開ですが。。

 

 

最後に孫娘がビデオカメラを壊してしまうことで、彼女の中で「二度と戻れない過去」と決別したというのはとても良いエンディングだったように思えます。もちろん、あのエンディングがトワイライトゾーンでなければの話です。