(トワイライトゾーン)巻き戻し | ゲイが語る映画の感想とクローズドゲイの日常

ゲイが語る映画の感想とクローズドゲイの日常

映画の感想が主ですが、たまにゲイアプリでの出会い報告もやってます。その時は(ゲイ話題)と書きますので、ゲイに対して理解のない人には、そっとページを閉じてくださいね。

image

 

ただ摩訶不思議な世界を取り扱うだけでなく、世相や社会問題にも焦点を当てたエピソードです。

 

 

 

息子の大学進学を喜ぶ母。 父からの譲り者である古びたビデオカメラで何気なく息子の姿を撮影。 撮影中にトマトケチャップを服につけてしまった息子が、こんなダサいシーンも録画してたことを嫌がって削除してほしいと母に懇願する。

 

 

母は上書きをするために「巻き戻し」ボタンを押したところ、現実世界も巻き戻ってしまい、ケチャップを付けてしまう前の時点に戻ってきてしまっていた。

 

 

その後、ダイナーを後にした二人は差別主義者の警官に何度も行く手を阻まれる。 時には息子を撃たれてしまったりもするが、彼女はその度にビデオの「巻き戻し」を押してやり直すが、どんな手段を使っても警官は彼らを目の敵にして近づいて来るのだった。 彼女たちが逃れるための方法はあるのだろうか? というストーリー。

 

 

ジョーダンビールだからこその目線で語られる作品だと感じました。 時間を巻き戻しても同じ結末に至るのはドラえもんのセワシ理論のような展開です。 ダイナーでは普通の人のように描かれているのに、二人に対してはずっと疑いの目を向けてくる白人警官の執着が見物なわけですが、こんなことを日常茶飯事に向けられているということにこの物語を通して現実を目の当たりにします。 特にBLM運動が盛り上がった今年などは特に。運動と称して略奪行為など不当な動きも見えますが、根本を解決できないといくらたっても終わらない問題です。同じ境遇に立たされる可能性がある日本人の中でも白人側の視点しか見ることが出来ない人も中にはいるわけで、平等と言う言葉で自分の権利が目減りすると思っている人も。

 

 

話にいったん戻るとして、あのビデオカメラの性能に気が付いた母親が悪いことに使わなかったのが印象的です。 ただ息子を大学に連れていきたいという一心で使用するだけなのです。 そもそも、そんな余裕があるようには思えないほどの展開ですが。。

 

 

最後に孫娘がビデオカメラを壊してしまうことで、彼女の中で「二度と戻れない過去」と決別したというのはとても良いエンディングだったように思えます。もちろん、あのエンディングがトワイライトゾーンでなければの話です。