
バンダイ 1/10 宇宙兄弟 ムッタ&アポ EVAセット(0175720)の製作記3回目です。
今回は水性塗料「ファレホ」の筆塗りによる、アポの塗装の製作記。
このキットを作った最大の目的がアポなので、気合を入れて塗装しました。
水性塗料のファレホの事も色々分かって来たので、その辺も織り交ぜながら書いていきます。
このキットはミニチュアペイントの基本技法であるベース・シャドウ・ハイライトの3色を使った『レイヤリング(積層塗り)』で塗る事にしました。
まずはベーシックな塗装方法でファレホの使い方を学びたい、感覚を掴みたい、という事と、原作が漫画なのでシンプルな3色のハイライトが合いそう。という理由からです。
塗装準備

ファレホでの筆塗り前に準備しておいて良かったものNo.1がコレ。ウォーターパレット(ウェットパレット)です。
水性塗料の筆塗りにおいては絶対必須だと思いました。これがあると筆塗りの快適性と楽しさが段違いです。
下に水分があるのでパレット上の塗料が全く乾かず、乾く前に一気に塗らなきゃ、みたいなプレッシャーから解放されて自分のペースで塗装が出来ます。
また、蓋をしておけば2、3日は塗料がそのままの状態で保持されるので、パレットに出した塗料が無駄にならず、一度混色した塗料も翌日そのまま使えたりして超便利。
パレット上で混色の比率を変えてグラデーションをかける、とか、使った色がパレット上に揃っているので、はみ出した箇所を忘れないうちにすぐ修正する、等も自由自在。

作り方、準備の仕方は簡単です。
高さが低くて広めのタッパーに、スポンジまたは「リードクッキングペーパー」のような水を含んで保持してくれる物を敷いて水を含ませます。
その上にクッキングシートまたは厚手のトレーシングペーパーを置くだけです。
自分が使っているタッパーは100円ショップのCanDoで売っていた「No.1294 ミリオンパック ワイド1200」というのを買ったのですが、大きさがちょうど良くておススメです(高さが低くて広めのタッパーは意外と少ない)。
※同じものがAmazonでも売られていますが、恐怖の80個セットですw 間違って買わないでくださいね!
また、水を含ませる部分はリードを使っています。スポンジは水に湿らした状態で長く使っていると、臭くなったりカビたりしますが、リードなら使い捨てに出来るので衛生的。
そして、上に敷くものは最初トレーシングペーパーを使っていたのですが、水を通し過ぎて翌日塗料がビチョビチョになったりするのと、紙が水を吸って波打つのでクッキングシートに変えました。
ちなみに、下記商品のように市販品もあるので、自作が面倒な方はこちらを使ってみてはいかがでしょうか(個人的には密閉できるタッパーの方が優秀だと思う)。

2つ目はプライマーサーフェイサー吹き。
ファレホ(アクリジョンやシタデルも)は溶剤がまったく入っていないので、ラッカー系塗料等と違ってプラを溶かして塗膜を食いつかせる事ができません。
またプラに直接塗るとそもそも塗料が弾かれやすかったりもします。
なので下地にプライマー成分の入ったサーフェイサーまたはプライマーを塗るのは必須です。
今回、アポだけはクレオスのプライマーサーフェイサーをエアブラシで吹いたんですが、他のパーツは試しにファレホのプライマーを筆塗りしました。
筆塗りでもほぼ仕上がりは変わらなかったので、エアブラシ無しでも行けると思いました。
注意点としては、ファレホのプライマーはウォーターパレットを使ってはいけません。ウォーターパレットに出して使うと、水分を含んで食い付き効果が弱まります。アルミホイルやプラ板等の上に出して使いましょう。

3つ目はファレホから色々出ている添加剤の準備。
ファレホは塗料に混ぜて使う添加剤が各種用意されているのですが、適切に使う事が出来れば塗装の難易度が大分下がるなと思いました。
今回主に使ったのは、塗料の透明度を上げてグラデーションをかけやすくする「70596 グレーズメディウム」、塗料が乾きにくくなる&伸びやすくなって細部塗装が楽になる「71262 フローインプルーバー」等です。
アポの顔面の塗装

さっそく一番大事なアポの顔面を塗っていきます。
まずはアポの毛色のフォーンの塗装。フォーンとはベージュ〜金色がかった明るいブラウンの事で、英語で小鹿の意味。
我が家にいたパグのキングマンもフォーンだったので、この色の再現にはこだわりました。

ファレホのベージュ、茶色系の塗料を混色して試行錯誤しながら理想の色味を探しました。

結果、70837 ペールサンド(40%)+70875 ベージュブラウン(20%)+70917 ベージュ(20%)+70993 ホワイトグレー(20%)という配合で塗りました。
自分の中での(というか飼っていたパグの)フォーンが再現できました。
ちなみに、しっぽの部分は塗装指示では宇宙服の色(しっぽも宇宙服に覆われている設定)なのですが、しっぽだけ出てた方が面白いかなと思ってフォーンで塗装してます。空気抜けちゃいそうだけど、アポクラスの優秀なパグなら大丈夫でしょう(謎理論)!
ちなみにファレホでベタ塗りする時は、一度でムラ無く均一に発色させようと思わず、水で薄めた状態で何度かに分けて塗り重ねるのが綺麗に塗るコツだと思います。
あと、一度塗った部分が乾燥しかけているところにもう一度塗ったりすると、塗膜がベロっと剥がれて汚くなったりするので厳禁です。乾燥は速いので、薄めた塗料であれば(一度に厚塗りしなければ)5分ぐらいで重ねられる状態になると思います。急がば回れ!

次はマズル(鼻ぺちゃ犬界隈で言うタフタフの部分)、耳、目の周り等の黒い部分の塗装。
パグのここの部分の色は黒に近いこげ茶のような色をしているので、混色して理想の色味に近づけました。
70822 カモフラージュブラックブラウン+70872 チョコレートブラウン+70862 ブラックグレー(少々)+70950 ブラック(少々)という配合で塗装。
パグは皺の部分にもうっすらこの色の毛が生えているものなので、その辺にも点描しています。


次はフォーンのシャドウ、暗色の塗装。
ここからは塗料に70596 グレーズメディウムを混ぜ、透明度を上げて塗り重ねていきます。
グレーズメディウムによって下の色が透けやすくなるので、違う色の塗料が馴染みやすくなります。
パグの特徴の一つでもあるおシワの部分に70875 ベージュブラウンを塗りました。

続いて頭頂部など光が当たる部分にグレーズメディウムで薄めた70837 ペールサンドでハイライト塗装。なるべく実物のパグの毛並みに合わせて塗ってます。

同じようにマズルや耳の黒い部分にもシャドウとハイライトを入れました。
この時点ではシャドウとハイライトを入れた部分が目立ち過ぎているように見えますが、ご心配なく!


シャドウ、ハイライトの境界線や目立ち過ぎる部分に、グレーズメディウムでかなり薄めたベース色を塗り重ねることにより、ベース色のフィルタがかかって馴染ませる事が出来ます。グレーズメディウム様様です。
ちなみに、水で薄めれば良いじゃん、と思うわれるかもしれませんが、水だと塗料がシャビシャビになり過ぎてしまってコントロールが難しいです(上手い人は水で行けるのかもしれません)。

そして緊張の目玉入れ。これでアポの仕上がりが決まると言っても過言ではありません。西野カナばりに震える手で集中して塗りました。若干黒目の縁がガタついてますが、大きな目玉を持つパグ特有の、涙でウルウルした目を再現しているという事にしておきました。目玉には最後にクリアを塗る予定なので、ごまかせるレベルでしょう!(やり直すとドツボにハマりそうだし)
アポの胴体の塗装

胴体の宇宙服の部分も同じような手順で塗装しました。
ベース色を超微妙に茶色味のある70820 オフホワイトで塗装。
その上にグレースメディウムを混ぜた70989 スカイグレーでシャドウ塗装。
ベースがホワイトでハイライトが効かないので、さらに暗部にもう少し暗いグレーを塗装。
最後にベース色をグレースメディウムでかなり薄めた塗料を塗って馴染ませて終了。

そのあと、赤い部分はメカカラーの69008 レッド、左腕の幸せのハートマークはゲームカラーの72013 スクイッドピンクで塗装。
メカカラー、ゲームカラーは粘度が低くなっているので薄めずにそのまま使え、かつ発色が良い(ビビッドで派手な色が多い)のが特徴です。
そしてこのような細部の塗装に便利なのが「71262 フローインプルーバー」です。この添加剤の本来の目的は、ファレホを乾燥させにくくしエアブラシで吹きやすくする為のものなのですが、この効果が筆塗りの細部塗装にも威力を発揮します。
塗料が伸びやすくなり乾燥もしにくくなるので、少量の塗料で慎重に塗る作業が楽になります。
ちなみに、ファレホのキャップって、Mr.カラーとかタミヤカラーと違って全部同じ黒なんですよね。なのでぱっと見で(特に上から見たとき)どの塗料なのか分かりにくいんですよね(キャップのリングはシリーズ毎に別の色にはなっている)。
そこで、キャップのてっぺんにそれぞれの塗料を塗って上げると、その不満が解消されます。そのまま色見本になるのも良いところ。自分は剝がれにくくする為に下地にプライマーを塗ってから色を乗せてます。プライマーは筆で塗った方が良いですが、塗料を乗せるときはキャップにそのまま垂らして爪楊枝や攪拌棒等で伸ばすだけでOK。

お腹のスイッチ類を銀色に塗るために使った、ゲームカラーの72052 シルバーも優秀でした。
一回の塗装でバッチリ発色し、かつメタリック粒子が細かくて綺麗。筆塗りでもここまで綺麗に塗れるものなんだと感心しました。

最後にファレホのウォッシング塗料、ゲームカラーの73200 ウォッシュ セピア、73201 ウォッシュ ブラックを使って軽く墨入れをして塗装は完了です。
仕上げ

塗膜保護と質感の統一を目的に、クレオスの水性プレミアムトップコートスプレー つや消しを全体に吹きました。
ファレホは24時間ぐらい経って完全に乾いてしまえばラッカー系のトップコートでも耐えられるそうですが、やはり水性の方が安心安全です。臭いも強くないですし。

そして最後に、パグ特有の潤んだ眼(目が大きくて出っ張っているので涙が溢れがち)を再現する為、目玉の上にファレホのクリア塗料70510 グロスバーニッシュを塗りました。
※この塗料もウォーターパレットはダメです。固まらなくなる可能性あり。

目玉以外にも、常に涙や涎で濡れている目元や鼻、口の周りにも塗ってあげて、パグらしさを表現しています。





うーん、満足!かわいい!!
まるであの世から、我が家の愛犬キングが帰って来たよう(妻も喜んでました)
こんな感じでアポ完成です!
満足したし、このキットの制作は一旦これでいいかなーw
水性塗料の筆塗りが楽しすぎ&快適過ぎて、他の色々なジャンルのキットも塗ってみたくなっちゃったんですよね。
試したい塗装方法も色々あるし。
というわけで、思い入れの強いキット&ファレホの本格使用が初めてだったので長くなりましたが今回はここまで!
ではまた!


































































