Pockets Full of Good Intention
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The New Gary Burton Quartet / “Common Ground”

 

 

 

 

夏は

頼まれもしないのに

派手に音を立てて

やってきた

記憶も

風情も

何もかも飛び越えて

 

 

 

 

 

 

夏は居心地の悪い

独り言をまだ吐いている

夏は揺れている

風も

人も

景色も

 

 

 

 

 

 

一瞬の揺らぎを目にとめようと

西の空に目をやった僕

久しく遠い空を見ていない

眩むようだ

美しい、と思ったら

行ったきりの

心が帰ってくる

 

 

 

 

 

 

ただいま

別れも告げず

僕たちは歩いている

ただいま

言い訳もせず

僕たちは汗を流す

 

 

 

 

 

 

こんな日が

系図のように続いて

やがて

夏が行く

途切れた紙片に

火が付き

焦げていく

 

 

 

 

 

 

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ヴィヴラフォンの音

それは時空の揺らぎ

幾何学的な力だ

空間を捻じ曲げる

金属のマジック

そこに快感を感じたら

あなたはジャズの針穴に

糸を通したことになる









ジュリアン・ラージのギターを

初めて聞いた時

音楽の人間力に改めて

度肝を抜かれた

人間の肯定

包容とは

彼のギターのためにある








こんな素晴らしい音楽に

夜風がスウィングしている

気難しさはなく

そこには蒸し暑さと

未だ焼け落ちない

紙片だけが残っている


 


 

 

 

Maria Muldaur / "Sings Love Songs of Bob Dylan"

 

 

 

 

やっぱり書こうとすると

久しぶりでまとまりそうもないので

いつものように長く

言葉にはしなかったけれど

傍らにあった音楽に

少しずつ触れていこう

 

 

 

 

ある日

歳をとったなぁと

思った

人と会った時だ

時は残酷で

風景の変容をまざまざと提示する

 

 

 

 

人が変わるのか

目が変わるのか

社会が変わるのか

誰も口にはしない

知っていた時と比べて

ないものがあり

あるものがない

 

 

 

 

 

歌も変わっていく

すぐそこにあった歌は

はるか遠くに行ってしまい

あんな遠くにあった歌が

今はこんなに近くにいる

そんな旋律が運ぶダイナミズムは

何も個人的な問題ではないと思う

あなたから遠ざかった歌は

あるいは近づいてきた歌は

いったい何でしたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕にとっての「あの時の歌」が

何もかもかなぐり捨てて

また戻ってきたようだった

マリア・マルダーのボブ・ディラン集

 

 

 

 

ボブ・ディランの歌が

呪縛から解けたように甘く聞こえる

柱にしなだれかからんばかり

歌は必死で逃げてきたのか

息も絶え絶えに

けだるく波打っている

 

 

 

 

 

やっとたどり着いてくれたのかと

ディランの声が聞こえるよう

あなたは昔から

ずっとこんな歌を歌っていたんですね

マリア・マルダーって人は

つくづくすごい歌い手だと思った

 

 

 

 

また見てくださって

どうもありがとう

 

 

 

"Blue Burton" / Ann Burton

 

 

 

どうして旅に出なかったんだ

と言われてついハッとなった僕は

まもなく

電車を降りていた

駅から電車を眺めている僕がいる

どこかで見た景色

そのものだった

 

 

 

 

 

空気が余りにきれいだ

見通せそうなものだが

どこへいるのだろう

さては逃げ込んだと

思われていないだろうか

刺さるような視線にさらされて

自分が嫌になった

 

 

 

 

 

 

トマトの皮を針で刺せば

あふれ出す果汁のような

そんな気持ち

触れたくない思いに

目をそむけていたい

そんな気持ち

 

 

 

 

 

 

 

 

繊細とは

脆くて壊れやすいことではない

色んなことを求めて

求められて

世の中は過剰で溢れている

行き届いているだけが

何も繊細の取り柄ではなかろう

 

 

 

 

 

 

歌も然りで

届く範囲ならなんでも取り入れたほうが

良いだろうという

掃除機のような歌が蔓延している

僕たちは歌に何を求めるのだろう

一つ言えることは

求められた繊細には

何の価値もなく

ただそこには不満だけが膨らんだ

薄味のジュースがあるのみなのだ

 

 

 

 

 

 

アン・バートンの気持ちは

きっと今の世相には合いそうにない

ブルー・バートンが録音された1968年から

歌はずいぶんと注文の多い

文化になってしまったからだ

でも僕は彼女の

あけすけな感情表現が

まだ人の琴線に触れることができると

信じ込んでいる

今日の僕も

またその一人だったのだが

 

 

 

 

 

 

"It's Easy to Remember 

And So Hard to Forget"

なんだか17の自分を思い出して

湿っぽくなってしまった

 

 

 

 

 

 

 

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