Phoebe Snow / Phoebe Snow | Pockets Full of Good Intention

Phoebe Snow / Phoebe Snow

 

 

 

 

 

人間ある程度生きていると

周りが「あの頃」ばかりになる時がある

後ろを振り返ってみたくなり

そんな気持ちは連鎖する

両隣にいた奴の手札は

お互いに欲しかった札で

意気投合して仲良くあがり

そんなことは

もう反吐が出るほど見てきた

 

 

 

 

 

 

 

懐かしいBGMが届けられた

あの頃を覚えていなくても

先方はよく覚えている風で

僕の方は音楽が鳴っている

乾いたアメリカの音だった

1974年の風

もう刺激的な思考は残っていなかった

サロメの運命のように

首から血を流していたかった

 

 

 

 

 

 

 

先方は不幸せになっていた

残酷に

そうなるだろうなとも思った

幸せってなんだろうか

1974年の風は

そんなことまで教えてくれなかった

僕たちのほんの少しのふれ合いにも

芽生えていた心にも

なんにも言わなかった

僕たちは離れ離れになって

運命にうなづいた

 

 

 

 

 

 

 

 

物思いに耽っている

僕が?

外は風が強く吹いている

明日は道に

何が散らばるのだろうか

どうかくだらない政治であってほしい

過去を散らかしたくなるほど

僕は1974年の風を

諦めきれていないのだ

 

 

 

 

 

 

 

Phoebe Snow Phoebe Snow
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ブルーズの妖精とうたわれた

フィービ・スノウのデビューアルバム

時を止めることができる音楽は

それほど多くない

空気や時間や思い出

人は憐れにも支配され

いつまでも解き放つことができない

魔法にかかってしまう

 

 

 

 

 

 

優しく甘い魔法にかかった僕は

チャックドマニコのベースや

ズートシムズのテナーに

ずっと虜になっていた

いい風が吹いていたのだと思う

今、思い返すならば