ドイツの木々に囲まれて・・・関西弁とB型家族 -603ページ目

かごの中の鳥

かごの中の鳥

 

かごの中に一羽の鳥がいました。

いつも綺麗に色鮮やかな羽を整え、かごの中から窓の外を眺めていました。

 

飼い主はこの鳥の事が大好きでした。

とても大切に育てていましたが、逃げてしまいそうで怖かったので、かごの中から出しませんでした。

どこからか猫がやってきたとき、鳥を襲う猫を飼い主は追い払ってくれました。

 

鳥は飼い主の前で上手に飛んで見せたり、綺麗な声で鳴きました。

 

ある日、飼い主がかごの扉を開けてくれそうな気がしてワクワクしました。

 

しかし飼い主は扉を半分しか開けてくれなかったので、羽が挟まって鳥は怪我をしました。

 

それに気づいた飼い主は、扉があかないように鍵を閉めました。

 

しかし、鳥は扉を開けようと一生懸命扉にくちばしを入れて開けようとしました。

 

今度は、くちばしを怪我しました。

 

それを見た飼い主は扉を開けてあげました。

 

鳥はとても嬉しかったですが、いつも外を眺めていた窓にはカーテンが閉まっていて外が見れなくなっていました。

 

鳥は部屋中を一生懸命飛んで外が見える場所を探しました。

 

ある日鳥は、小さなカーテンの隙間から光が差しこんでいるのを見つけ、そこへ飛んでいって外を眺めていました。

 

それに気づいた飼い主は、その隙間をテープで止めて、外を見れなくしました。

 

鳥は日に日に弱っていきました。

 

ある日飼い主は、鳥を窓の外が見える場所に移動させました。

 

しかし、その部屋はとても狭く、鳥は上手に飛ぶことができませんでした。

 

また、鳥はぐったりしてきました。

 

だんだん鳥は飛ぶことを忘れていきました。

そんな毎日を過ごしていたら、ある日、窓の外を自由に飛び回る大きな鳥を見ました。

その鳥はとても幸せそうに立派に飛んでいました。

 

鳥は外へ出たくて仕方ありませんでした。

あの鳥のように、外を自由に優雅に飛んでみたくて仕方ありませんでした。

 

飼い主は、弱ってきている鳥に、元気になるようにと沢山の高級なエサを与えました。

しかし、鳥は全く食べませんでした。

 

飼い主は、窓の外で飛んでいる大きな鳥が見えないようにと、窓の前に棚を置きました。

 

鳥はだんだん飛び方すら忘れてしまいました。

 

全く飛ばなくなった鳥を見た飼い主は、とても鳥の事を心配しました。

 

ある日飼い主は、鳥を置いて旅行することになりました。

鳥が逃げないようにと鳥かごに鳥を入れ、沢山の美味しいエサと窓の外が見れるようにカーテンを開けて出ていきました。

 

しかし、飼い主は、かごの扉を開け、窓の鍵を閉め忘れていました。

 

鳥はかごの外に出て、窓の外に出ました。

 

いつも、窓の外を自由に飛んでいた大きな鳥が一緒に飛ぼうよと誘ってくれました。

 

部屋の中以外に出たことがなかった鳥は、窓の下がとても遠いことや、空がとても高いことに怯えました。

 

外に出たら美味しいエサもありません。

危ない動物が来た時に誰も助けてくれません。

 

鳥はとても怖かったです。

 

でも、外を飛びまわる大きな鳥が言いました。

「一緒に飛んだら怖くないよ。私が全て教えてあげるから。私を信じてついておいで!」

 

鳥は、その言葉を信じて、大きな鳥の後を追いかけるよう一生懸命に真似をして飛びました。

 

外はとても楽しくて、エサも自分で探せるし、風がとても気持ちよかったです。

他にもたくさんの鳥が楽しそうに飛んでいるのも見ました。

 

大きな鳥はいつも後ろを振り返りながら前を飛んでくれました。

 

旅行から帰ってきた飼い主は、鳥がいないことに気づくと、網と罠を持って外に行きました。

 

塀の上に止まっている鳥を捕まえようと必死に網を振り回しましたが、鳥は捕まえられませんでした。

 

今度は、鳥の前を飛んでいる大きい鳥を追いかけました。

大きい鳥を捕まえたら、自分の鳥も一緒についてくると思ったからです。

 

しかし大きい鳥はとても高い場所を飛ぶので、飼い主には捕まえることができませんでした。

 

飼い主は、追いかけるのをやめ、家の窓を開けて待つことにしました。

 

しかし、それもあきらめ、窓を閉めました。

 

飼い主は、一生懸命育てた鳥が逃げたことに腹を立て、鳥を捕まえたら、絶対に逃げないように、かごから出さないと決めています。

飼い主は、時に落胆し、時に凶暴になりながら鳥が帰ってくるのを待っています。

 

今、飼い主は、いつも飼い主の家の近くを上手に高い位置で飛ぶ鳥を眺めることだけしかできません。

 

鳥は遠くから飼い主を、時々見つけては思います。

 

私がいなくなって寂しいのかな? 私は悪いことをしたのかな?

 

でも、鳥は飼い主の元に戻ろうとは思っていません。

 

今、やっと自分らしく上手に自由に飛べる場所を見つけたのだから。

 

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~Carpe Diem~