閑話休題 ー日本人の誤訳ー | Model world

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素晴らしい模型の世界に魅せられました。

皆さんの役に立ちそうで、全く役に立たない雑学ネタを提供する時間です。

 

今回は、世界で通用しない、日本人が知らぬ間に誤った認識を持ってしまった事例をネタにしてみようてへぺろ

日本人は多様な文化習俗を受け入れてきた歴史がある。
その為、言葉やモノなどに初めて日本人が接触した時のファーストインプレッションによって、間違ったまま広まってしまうものもある。


例えば、カボチャ。

日本ではお馴染みの緑色皮のウリ科の野菜だが、これは元々カンボジアから持ち込まれた時に、カンボジアが野菜の名前だと思いこみ、誤って広まったものだ。
流石にご存じの方は多いのでは?

この緑色のウリ科の野菜を英語でパンプキンだと思っている日本人は意外に多いと思うが、当然英語でスクワッシュと呼ぶのが正解な野菜だ。

ちなみに殺人鬼「切り裂きジャック」が、オレンジ色皮カボチャをランタン替わりに使用したことに因んでか、「ジャックのランタン」としてハロウィンの代名詞的なシンボルになったが、パンプキンはそれ(オレンジ色皮)のことだ。

必ずしもカボチャ≠パンプキンでは無いが、英語圏の人にカボチャのことをパンプキンとして通用することはまず無い。残念だが、未だにカボチャのことをパンプキンと訳す辞書も存在している。Google の翻訳も誤訳のまま。


続いて・・例えば、チャック。

これは面白い由来がある。
 

チャックは英語でファスナーと呼ばれるものだが、チャックは実は日本語が語源だ。
昭和初期に広島県尾道市で、「巾着印のファスナー」として販売した業者が存在した。大変な
評判になりあっという間に全国に広まった。

 

だが「巾着印のファスナー」では名称が長い。

巾着印のファスナー > 巾着印 > 巾着 > 着

と変化して「チャック」になっていったのが最有力だ。


この事例は誤った認識、というより日本人独特の呼称短縮傾向が成し得た珍しい事例と言えるのではないだろうか。


そして・・例えば、バイキング。

流石に今の時代で誤認識を持ったままな人は少なくなってきているだろうと言われている。
 

だが一昔前、日本人の多くが、ビュッフェスタイルのレストランのことを、「バイキング」と呼ぶ場合が間違えなくあった。

ビュッフェスタイルという呼称すら知らなかった日本人は、帝国ホテルにできたレストラン「バイキング」が日本初のビュッフェスタイルであったことから、レストランバイキング形式の・・という表現のまま、誤認識として広まってしまった。

流石にビュッフェスタイルをバイキングと呼称することはほとんど無くなったが、未だ未だ食べ放題、採り放題と勘違いしている方は多い。誤訳よりこちらの方が問題だ。

少なくともレストラン『バイキング』は国内でも数少ない純粋にビュッフェのマナーが要求されるレストランなので、もし行かれるのであれば注意が必要だ。

着席時にテーブルには受け皿が置いてあってシルバーも複数左右に並んでいる。給士が来る迄料理を採りに行ってはいけない。シルバーは外側から使用して、給士から皿をもらって前菜から・・と続くマナーだ。

 

メインのチョイスである「フィッシュ or ミール?」は誰もが人生で1度は必ず聞くフレーズだ。

私もレストラン「バイキング」には何度か行っているが、食べ放題と勘違いしている方が、何と受け皿に料理を盛り付けているのを何度か見たことがある。

 

日本ではマナー自体が普及していないので仕方ないところもあるが、テーブルマナーはどこかの機会で教えてもらえる様な情操教育も必要だと感じている。

一方で日本発の人件費削減型食べ放題、取り放題のノンマナービュッフェが世界に拡散したのも事実。東南アジアやオーストラリアなどは完全に日本方式に置き換わっている、と言っても過言ではない(言い過ぎ?)。

 

(あずなぶる)