緊急事態条項 = 「内閣独裁権条項」 | きなこのブログ

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緊急事態条項の実態は「内閣独裁権条項」である
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2016030100008.html

 

1 自民党草案の緊急事態条項とは


今年に入り、安倍首相や一部の自民党議員は、憲法改正に強い意欲を示しており、参院選の争点にしようとする動きもある。


特に注目を集めているのが、緊急事態条項だ。

 

自民党は2012年に発表した憲法改正草案で、戦争・内乱・大災害などの場合に国会の関与なしに内閣が法律と同じ効力を持つ政令を出す仕組みを提案している。

 


具体的な条文は次の通りである。
 

第98条(緊急事態の宣言)
1 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。

2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。

3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。

4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。

第99条(緊急事態の宣言の効果)
1 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。

2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。

3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。

4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。


発動要件は曖昧で、歯止めは緩い


98条は、緊急事態宣言を出すための要件と手続きを定めている。
具体的には、「法律で定める緊急事態」になったら、閣議決定で「緊急事態の宣言」を出せる(98条1項)。
また、緊急事態宣言には、事前又は事後の国会の承認が要求される(98条2項)。

何げなく読むと、大した提案でないように見えるかもしれないが、この条文はかなり危険だ。
 

まず、緊急事態の定義が法律に委ねられているため、緊急事態宣言の発動要件は極めて曖昧になってしまっている。
その上、国会承認は事後でも良いとされていて、手続き的な歯止めはかなり緩い。
これでは、内閣が緊急事態宣言が必要だと考えさえすれば、かなり恣意的に緊急事態宣言を出せることになってしまう。

 

 

効果は絶大な緊急事態宣言


では、緊急事態宣言はどのような効果を持つのか。

 

要件・手続きがこれだけ曖昧で緩いのだから、通常ならば、それによってできることは厳しく限定されていなければならないはずだ。


しかし、草案99条で規定された緊急事態宣言の効果は強大である。


四つのポイントを確認しておこう。


第一に、緊急事態宣言中、内閣は、「法律と同一の効力を有する政令を制定」できる。


つまり、国民の代表である国会の十分な議論を経ずに、国民の権利を制限したり、義務を設定したりすること、あるいは、統治に関わる法律内容を変更することが、内閣の権限でできてしまうということだ。

例えば、刑事訴訟法の逮捕の要件を内閣限りの判断で変えてしまったり、裁判所法を変える政令を使って、裁判所の権限を奪ったりすることもできるだろう。


第二に、予算の裏付けなしに、「財政上必要な支出その他の処分」を行うことができる。


通常ならば、予算の審議を通じて国会が行政権が適性に行使されるようチェックしている。


この規定の下では、国会の監視が及ばない中で不公平に復興予算をばらまくといった事態も生じ得るだろう。


第三に、「地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」


つまり、地方自治を内閣の意思で制限できるということだが、これも濫用の危険が大きい。


例えば、どさくさに紛れて、首相の意に沿わない自治体の長に「辞任の指示」を出すような事態も考えられる。


実際、ワイマール憲法下のドイツでは、右翼的な中央政府が、緊急事態条項を使って社会党系のプロイセン政府の指導者を罷免したりした。


今の日本に例えると、安倍内閣が、辺野古基地問題で対立する翁長沖縄県知事を罷免するようなものだろうか。
 

第四に、緊急事態中は、基本的人権の「保障」は解除され、「尊重」に止まることになる。


つまり、内閣は「人権侵害をしてはいけない」という義務から解かれ、内閣が「どうしても必要だ」と判断しさえすれば、人権侵害が許されることになる。

 

これはかなり深刻な問題だ。


政府が尊重する範囲でしか報道の自由が確保されず、土地収用などの財産権侵害にも歯止めがかからなくなるかもしれない。

 

 

以上をまとめるとこうなる。
 

まず、内閣は、曖昧かつ緩やかな条件・手続きの下で、緊急事態を宣言できる。


そして、緊急事態宣言中、三権分立・地方自治・基本的人権の保障は制限され、というより、ほぼ停止され、内閣独裁という体制が出来上がる。


これは、緊急事態条項というより、内閣独裁権条項と呼んだ方が正しい。
 

多数の国が採用?


このように見てくると、憲法に強い関心を持っていない人でも、この条文は相当危険だと言うことが分かるだろう。

 

しかし、安倍首相は、こうした緊急事態条項は、「国際的に多数の国が採用している憲法の条文」であり、導入の必要が高く、また濫用の心配はないと言う(1月19日参議院予算委員会)。

これは本当だろうか。


外国の緊急事態条項と比較してみよう。
 

一般論として、戦争や自然災害が「いつ起こるか」は予測困難だが、「起きた時に何をすべきか」は想定可能だ。そうした予測を基に、誰が、どんな手続きで何をできるのかを事前に定めることは、安全対策としてとても重要だろう。

 

そして、警報・避難指示・物資運搬等の規則を細かく定めるのは、国家の基本原理を定める憲法ではなく、個別の法律の役割だ。


したがって、外国でも、戦争や大災害などの緊急事態には、事前に準備された法令に基づき対応するのが普通だ。


例えば、アメリカでは、災害救助法(1950年)や国家緊急事態法(1976年)などが、緊急時に国家が取りうる措置を定めている。

 

また、1979年に、カーター政権の大統領令により、連邦緊急事態管理庁(FEMA)という専門の行政組織が設置された。


FEMAが災害対応に関係するいろいろな機関を適切に調整したことで、地震やハリケーンなどの大災害に見事に対処できたと言われている。


フランスでは、1955年に緊急事態法が制定されており、政府が特定地域の立ち入り禁止措置や集会禁止の措置をとることができる。


後述するように、フランスには憲法上の緊急事態条項も存在するが、昨年末のテロの際には、憲法上の緊急事態条項ではなく、こちらの法律を適用して対処した。
 

慎重な議会手続きを要求


では、憲法上の緊急事態条項は、どのような場合に使われるのか。

 

まず前提として、多くの国の憲法は、適正な法律を作るために、国会の独立性を確保したり、十分な議論が国会でなされたりするなど、立法に慎重な議会手続を要求していることを理解せねばならない。

 

逆にいえば、通常の立法手続きは面倒くさいということだが、政府の意のままに国会が立法したのでは、権力分立の意義が失われ、国民の権利が侵害される危険が高まる。


もしも柔軟な立法を可能にするために議会手続きを緩和しようとするなら、憲法の規定が必要になる。


例えば、アメリカ憲法では、大統領は、原則として議会招集権限を持たないが、緊急時には議会を招集できる(合衆国憲法2条3節)。


また、ドイツでは、外国からの侵略があった場合に、州議会から連邦議会に権限を集中させたり、上下両院の議員からなる合同委員会が一時的に立法権を行使したりできる(ドイツ連邦共和国基本法10a章)。


これらの憲法は、政府に立法権を直接に与えているわけではない。


大統領に議会召集権を与えることで国会の独立性を緩和させたり、立法に関わる議員の数を減らすことで迅速さを優先させたりしているに過ぎない。

 

また、フランスや韓国には、確かに、大統領が一時的に立法に当たる権限を含む措置をとれるとする規定がある。


しかしその権限を行使できるのは、
「国の独立が直接に脅かされる」(フランス第五共和制憲法16条)とか、
「国会の招集が不可能になった場合」(大韓民国憲法76条)に限定される。

あまりに権限が強いので、その権限を行使できる場面をかなり厳格に限定しているのだ。

フランスは昨年末のテロの際に緊急事態宣言を出しているが、それが憲法上の緊急事態宣言ではなかったのは、こうした背景による。


つまり、アメリカ憲法は、大統領に議会招集権限を与えているだけだし、ドイツ憲法も、議会の権限・手続きの原則を修正するだけであって、政府に独立の立法権限を与えるものではない。


また、フランスや韓国の憲法規定は、確かに一時的な立法権限を大統領に与えているものの、その発動要件はかなり厳格で、そう使えるものではない。


これに対し、先ほど述べたように、自民党草案の提案する緊急事態条項は、発動要件が曖昧な上に、政府の権限を不用意に拡大している。
 

他の先進国の憲法と比較して見えてくるのは、自民党草案の提案する緊急事態条項は、緊急時に独裁権を与えるに等しい内容ということだ。

こうした緊急時独裁条項を「多数の国が採用している」というのは、明らかに誇張だろう。
 

確かに、憲法上の緊急事態条項は多数の国が採用しているが、自民党草案のような内閣独裁条項は、比較法的に見ても異常だといわざるを得ない。

 

 

憲法記念日にしつこく改憲を語るあべぴょんに「#安倍はやめろ」が60万ツイート、NHK日曜討論にVTR出演の山本太郎代表は「金を刷れ、皆に配れ」
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=237684

 

5月3日の憲法記念日、今年も安倍首相は憲法改正への意欲を見せました。

 

お仲間の日本会議主体の憲法集会だけにメッセージを送り、新型コロナ対応の失策を憲法のせいにして改憲と緊急事態条項の必要性を訴えました。

 

 

国家権力の横暴を縛る憲法が大嫌いなあべぴょんらしい。


しかし新型コロナよりも政府に殺されかけている国民の反応は明快でした。

 

あべぴょんの図々しいメッセージが事前に伝えられるや、「改憲よりもすべきことを早くやれ!」という怒りの表明が殺到し、2日の夜からツイッターのトレンドに「#安倍はやめろ」が躍り出て見る間に50万ツイートを超えました。

 

最終的に60万ツイートを超えたところで削除されてしまったようですが。

 

政界でも「総辞職」の言葉が語られるようになりました。

 

次の総理?

 

「その辺におる猫」でもあべぴょんよりはるかにマシ。


けれどもこれからの日本を立て直すには、その気概のある人物を望む。


NHK「日曜討論」は、勝手に恣意的な基準を設け、スタジオ出演させる政党を意図的に選別しています。

 

れいわ新選組・山本太郎代表は、こうした憲法違反に抗議しました。

 

 

3日の「日曜討論」のVTR出演では1分30秒という短い時間ながら、今のコロナ恐慌とも言える悲惨な現状は「完全に憲法違反」、「これを止める方法はいたってシンプルだ。金を刷れ。皆に配れ。」と訴えました。

 

 


安倍首相の新型コロナを利用した「憲法に緊急事態条項を」メッセージに非難殺到! 失策を棚上げ、日本会議系集会でお仲間と改憲PR
https://lite-ra.com/2020/05/post-5404.html

 

いったいどういう神経をしているのか。

 

安倍首相がきょう3日の憲法記念日、日本会議が主体となった団体が開催するネット上の改憲集会「憲法フォーラム」に新型コロナを利用して緊急事態条項の必要性を訴えるビデオメッセージを出す。


(中略)


もっとも、今回はさすがに国民をダマすことはできないだろう。

 

世論調査でも、NHKでは「憲法以外の問題 優先して取り組むべき」が78%、朝日でも「安倍政権のもとで改憲することについて「反対」が58%に達した。


 それだけではない。

 

安倍首相が緊急事態条項の必要性を訴えるメッセージを出すことがわかった2日から、逆に安倍首相に対する批判の声が殺到しているのだ。


(中略)


そういう意味では、今回のコロナ感染拡大は、安倍首相の改憲の動機のインチキぶりを完全にあらわにしたといえるだろう。

 

「コロナ改憲にNO」 市民が怒りのデモ
https://tanakaryusaku.jp/2020/05/00022881

 

 

興味のある人物がいたからだろうか。それとも「デモのテーマ」が権力に向けて的を突いていたからか。夥しい数の公安が貼りついた。=3日、新宿 撮影:小杉碧海=
 

「コロナを口実に改憲するな」。


自粛要請で苦しい生活を強いられている市民たちが、憲法記念日のきょう、街頭で声をあげた。

 

「緊急事態に国家や国民はどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そのことを憲法にどう位置付けるかは、極めて重く大切な課題だ」-安倍首相がきょう開かれた日本会議の改憲集会に送ったビデオメッセージだ。

 

ショックドクトリン(惨事便乗)の極みである。


コロナの感染拡大防止を憲法改正の口実にしようというのだから。

 

 

アベ首相をはじめとする改憲勢力の理屈はこうだ―

 

現行の非常事態宣言では強制力を伴わず、罰則もない。


政府にもっと強い権限を与えれば、感染拡大を抑えることができる。


そのためにも改憲して緊急事態条項(自民党改憲草案第98~99条)を適用すべき。

 

国民が政府や自治体の言うことを聞かないから感染が収まらない・・・朝から晩までテレビが報道する。

 

下地が整ったところで世論調査の結果が出てくる。


NHKによれば「改憲必要ある32%」「必要ない24%」だ。

 

共同通信の世論調査では、改憲し緊急事態条項を新設することに「51%が賛成」している。

 

 

「憲法は一人ひとりの防護服」。身につまされる言葉だ。=3日、新宿、撮影:田中龍作=
 

マスコミを手先に使った危険な風潮に抗議の声をあげようという市民が夕方、新宿アルタ前に集まった。

 

デモに参加した男性(労働組合員40代)は憤りを隠せない—


「自粛で憲法集会も開けない。インターネットでは言い足りない。街頭に出て声をあげようと思った」

 

「アベ首相はコロナ対策でダラダラやってきたくせに、緊急事態条項がないからこうなった、と言ってる。許せない」。

 

都内在住の主婦(50代)も怒りを露わにした―

 

「自粛していないから感染が広がっているみたいに言うが、自宅でひっそりと亡くなっている人たちも多くいる。命も暮らしも守ってくれない」

「安倍政権は国民にとって最大のリスク。アベノウイルスは部屋にいてもかかってしまう」。

 

参加者は自粛の影響で人通りもまばらな新宿の街をデモ行進した。

 

「(安倍政権は)コロナ対策失敗のツケを回すな」


「不安を煽るな」


「命の選別をするな」・・・

 

デモ隊のシュプレヒコールが5月の空に響いた。

 

~終わり~

 

 

安倍政権のもとで改憲「反対」58% 朝日新聞世論調査
https://digital.asahi.com/articles/ASN5274NXN4ZUZPS006.html?pn=4

 

 

最高裁長官、新型コロナ対応で「態勢の回復が重要課題に」
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20200503-00000012-jnn-soci
5月3日の憲法記念日を迎えるにあたって最高裁の大谷直人長官が記者会見し、新型コロナウイルス感染防止のため多くの裁判が延期されていることについて、「態勢をどう回復していくかが重要な課題だ」と話しました。

「このような状況は、裁判所にとっても前例のない事態であり、新型コロナウイルスの影響は甚大であると受け止めています」(大谷直人最高裁長官)

最高裁の大谷長官は、新型コロナウイルスの感染防止のために多くの裁判が延期されていることについて、「緊急事態でのやむを得ない対応で、ご不便をおかけしている」と理解を求めました。
また、裁判の再開については、「時期や対応を画一的に行うことは難しく、今後の態勢をどのように回復していくかも重要な課題になる」との認識を示しました。

 

 

 

何度も変わる安倍晋三の改憲理由

 

逮捕されるかもしれないので改憲を急ぐ安倍一派

 

世論調査のカラクリ 3

 

緊急事態条項=ナチスの手口 8 ~自作自演コロナパニックを改憲に利用する~

 

「憲法記念日」れいわ新選組 山本太郎 ~コロナを改憲に利用~

 

東電原発事故で仲間を有罪にする訳ないだろ