セレクティブ・サービス(兵役選別)・ 必要とあれば徴兵される | きなこのブログ

きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

日本を明るい未来へ…

[1950]副島先生の『トランプ大統領とアメリカの真実』を読んで 
http://www.snsi.jp/bbs/page/1/

なぜ次期アメリカ大統領がドナルド・トランプなのかの謎解きも面白いですが、その謎解きが、アメリカの現代政治思想の分かりやすい説明になっているところがさすがです。

「そういうことだったのかぁ」と納得させられます。

クリントンのベンガジ問題も書かれていますが、それ以外に興味深いことだらけです。

私は、副島隆彦先生こそ真の愛国者だと思っています。

読まれれば、なぜ、私が副島先生を愛国者だと思うかも分かります。

章ごとに、要約ではなく私が興味深いと思ったことを皆さまの参考のため記します。

第1章 トランプ大統領の誕生

世界一の権力者は軍事力№1のアメリカの大統領というのが常識だと思います。

その常識を覆してくれるところに副島先生の存在価値があります。

副島先生の読者であればびっくりもしませんが、実質の世界№1の権力者がディビッド・ロックフェラーだという指摘はやはりはずせない観点です。

ヘンリー・キッシンジャーが活躍したのは1970年代のニクソン政権とそのあとのフォード政権、特に記憶にあるのは、1971年の日本の頭越しの中国極秘訪問です。

それから40年以上たった今でも力があるのですね。

力がある理由は、ディビッド・ロックフェラーの最高位の直臣だからなのですね。

そこで、ドナルド・トランプがヘンリー・キッシンジャー宅を訪問したことで、トランプが次の大統領になるのだと見破ったわけです。

(引用開始)

このディヴィッド・ロックフェラーがまさしく“実質の世界皇帝”であり、“ダビデ大王”である。

そしてキッシンジャーはその最高位の直臣である。

(引用終わり)

こんなことは、日本のマスコミでは報道されません。

世の中には日本のマスコミが伝えない世界があり、アメリカ大統領選にすら隠然とした、しかし、絶大な影響力がある人もしくは集団があるということです。

それが私たちの生活に関係ないかと言えば、戦争などで大きく関係してくるわけですから知らん顔でいるわけにはいきません。

第2章 トランプ旋風とアメリカ大統領の行方

この章で興味深いのは、1.トランプ旋風の背景、2.サンダース現象、3.クリントンの私的な部分 です。

1.トランプ旋風の背景

トランプ旋風が起きた要因として大きく2つの勢力を示しています。

貧しい白人ブルーカラー層と経営者・自営業者の白人中間層です。

貧しい白人ブルーカラー層はヒスパニックの違法移民が自分たちの仕事を奪っている、もしくは彼らがいるために低賃金なのだと被害者意識をもっているのでトランプが移民に対して厳しい言い方をすれば拍手喝采するのですね。

では、なぜ経営者・自営業者の白人中間層までもがトランプを支持するかと言えば、ワシントンのエリートの政治がよくないので、自分たち白人中間層が没落しつつあるのだという怒りです。

アメリカ国内の対立軸は、白人対黒人、白人対ヒスパニックという人種だけではなく、今はまだ多数を占めている白人の中でも格差があり、トランプを大統領候補にまで押し上げる「怒り」が白人の中にもあるという指摘が秀逸です。

(貼り付け開始)

アメリカは貧富の差が広がって人種間対立がさらに激化している。

白人労働者階級(ブルーカラー層)は、違法移民である“経済難民”(economic migrantsエコノミック・マイグラント)が自分たちの職を奪っていると考える。

ドイツやイギリスでもそうだ。

保守的な白人経営者層と自営業(セルフ・エンプロイド)層までが、分厚い「怒れる白人中産階級」となってトランプ支持に回っている。

~中略~

グラス・ルーツ(草の根)とは、アメリカの地方に住む保守的な白人中間層や農場主(ファーマー)たちのことを指す。

この保守的な白人中間層(ミドルクラス)のアメリカ人たちが、時として、「政治の季節」(即ち、自分たちの大統領を選ぶ時)に、政治首都ワシントンを突き上げる、大きな怒りとなって表れる。

この、「下から噴き上げる、白人中間層の政治への怒り」のことである。

この、「下から噴き上げる、白人中間層の政治への怒り」のことを、ポピュリズムと言うのである。」

(貼り付け終わり)

2.サンダース現象

バニー・サンダースは日本ではほとんど無名でした。

バーモント州選出の上院議員ですからそれなりの政治家なのでしょうけれど、バーモント州自体は人口が60万人程度(島根県よりも少ない)の小さな州ですし、2015年に民主党から大統領選に出ることするまでは無所属の議員でした。

ヒラリー・クリントンとは対照的にワシントンのエリートではありません。

では、バニーサンダースを支持している人たちはどういう人なのでしょうか。

低学歴で貧しい人達です。

低学歴で貧しいのでアメリカが戦争をはじめれば、真っ先に戦争に駆りだされる人たちです。

女性たちは夫や息子を戦場に行かせたくありません。

当たり前ですよね。

なんでよその国に行って戦争で死ななければならないのかというはもっともだと思います。

そういう層がバニーサンダースを熱狂的に支持しているのですね。

(貼り付け開始)

民主党でヒラリーとしぶとく競争していたバーニー・サンダースはバーモント州の上院議員で、社会主義者(ソシアリスト)とまで名乗っている男だ(74歳)

~中略~

アメリカの下層中流白人の女たちに、「自分の子供が戦争に徴兵されてゆくのがいやだ」という戦争反対の切実な心理が強くあるからだ。

~中略~

「ヒラリーになったらアメリカは戦争をする」と母親たちは強く予感している。

(貼り付け終わり)

3.ヒラリー・クリントンの私的なこと


ヒラリー・クリントンがロックフェラー家の「嫁」であるという指摘は、副島先生の読者であれば既知のことではありますが、やはり注目に値します。

(貼り付け開始)

ビル・クリントンは、ウィンスロップ・ロックフェラーの隠し子である。


(貼り付け終わり)

ロックフェラー家の「嫁」なのであれば、ディヴィッド・ロックフェラーもヒラリー・クリントンを支持すればいいと思いますが、デイヴィッド・ロックフェラーからすれば、兄であるウィンスロップ・ロックフェラー(故人)の愛人の子の嫁であれば、あまり近しい存在ではないのかも知れません。

“世界皇帝”であれば、直系の血族でもないヒラリー・クリントンよりも今後100年のロックフェラー家の方が大事なのでしょう。

ヒラリー・クリントンのベンガジ事件

ヒラリー・クリントンがリビアのカダフィー殺し(2011年)の最高責任者という副島先生の指摘は強烈です。

覇権国アメリカは、自国に都合が悪ければ、他国へ行って指導者を殺すことも厭わないのでしょう。

ヒラリー・クリントンだけがやったわけではないと思います。

今でも当たり前のように、無人機で他国で人殺しをしています。

7月5日、アメリカ連邦捜査局(FBI)は、ヒラリー・クリントン前国務長官が公務で私用のメールアドレスやメールサーバを使っていた問題について司法省にクリントン氏を刑事訴追する勧告は行わないと発表ました。

ヒラリー・クリントンを追い落としたい勢力と支持する勢力のせめぎ合いです。

ヒラリー・クリントンをもし訴追すれば、ヒラリー・クリントンも激しく反撃するので、怖くて出来ないのですね。

正義か正義ではないかというようなことではありません。

覇権国アメリカの権力者になれば、他国に干渉するダーティーな部分にも嫌でも関わらざるを得ないのでしょう。

人間として気の毒に思います。

他国への干渉という意味では、今は真っ白なトランプも、もし大統領になれば、ダーティーな部分に直接ではないにせよ、関わることになると思います。

少なくても黙認せざるを得なくなると思います。

それを拒んだ先にあるのは、辞任か暗殺かです。

第3章 ドナルド・トランプとは何者か

丁寧にドナルド・トランプの不動産業者としての成功やカジノ経営の挫折を描いています。

注目すべきは、ユダヤとの関係です。

これまでの著作でも副島先生にアメリカでユダヤがもつ強大な影響力を教えていただきました。

ドナルド・トランプの長女イヴァンカの夫がニューヨーク正統派ユダヤ人社会をまとめるクシュナー家の御曹司であるジャレット・クシュナーという指摘がポイントです。

だから、ドナルド・トランプはヒスパニックを悪く言っても、ユダヤ人の悪口は言わないのでユダヤ人の支持を得られます。

(貼り付け開始)

このイヴァンカの夫はジャレット・クシュナーという実業家だ。

彼は不動産会社「クシュなー社」の御曹司で、週刊誌『ニューヨーク・オブザーバー』のオーナーでもある。

~中略~

クシュナー家は、親イスラエルの主要なロビー団体、「米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)の幹部でもある。

(貼り付け終わり)

第4章 アメリカのアイソレーショニストとポピュリストたち

トランプが大統領になったら、お金をもっとくれないなら米軍を撤退させるそうですが、そうなればいいですね。

アメリカが日本に駐留しているのはアメリカにとってメリットがあるからであって、日本を守るためのはずがありません。

副島先生の指摘の通り、自分の国は自分で守るという発想が必要です。

アメリカ駐留軍撤退で、日本がアメリカの属国から少しずつ独立できればよいですね。

ドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」の意味は、アメリカ国内問題優先主義だという指摘が重要です。

アイソレーショニズムも「孤立主義」と訳すと理解ができなくなります。

「アメリカ・ファースト」「アイソレーショニズム」も、国内問題優先主義だと理解すればよいのですね。

その対極にあるのがインターヴェンショニズム、つまり外国への積極的介入主義です。

ヒラリー・クリントンの立場です。

よその国に行って、政府を転覆したり、人殺しをするよりは、国内問題優先主義の方がまっとうだと思います。

その意味では、日本にとってトランプの方がクリントンよりもましかもしれません。

(貼り付け開始)

米軍は、そろそろ日本から撤退(エヴァキュエイション)すべきなのである。

敗戦後71年にもなるのに、外国(戦勝国)の軍隊がこんなにも長く居座っているのはおかしい。

(貼り付け終わり)

(貼り付け開始)

アメリカ人から見れば、日本や韓国やフィリピンや、タイや、マレーシアは(ロシアと中国の)「共産主義に対するアメリカにとっての防波堤」でしかない。

それが実は幻の集団的自衛権だ。

(貼り付け終わり)

日本が「防波堤」でしかないのであれば、副島先生の「アジア人どうし戦わず。(またダマされての)戦争だけはしてはならない」という言葉が重要です。

アメリカの「ポピュリズム」という言葉の意味を副島先生が教えてくれています。

ポピュリズム=大衆迎合主義と訳したのでは意味を捉え違います。

(貼り付け開始)

ポピュリズムとは、アメリカ全土で、下から噴き上げる保守的な白人大衆の、首都ワシントンの権力者たちへの怒りのことである。

分たちの真の代表がワシントンで政治をやっていない。

アメリカのデモクラシーが骨抜きにされ、奪い取られている、という激しい抗議のことである。

(貼り付け終わり)

日本のマスメディアがポピュリズムを大衆迎合主義とする背景には、「大衆=バカ」というメディアの印象操作があるので要注意です。

副島先生の解説をじっくり読みましょう。

第5章 リバータリアニズムとアメリカ政治思想

リバータリアニズムの副島先生の端的な解説が分かりやすいです。

(貼り付け開始)

リバータリアニズムlibertarianismについては、ここで、きわめて簡潔にきめつけておく。

この思想派閥は、1950年代にアメリカで誕生した新しい勢力である。

さらにその内部は何派にも分かれている。

彼らの政治思想は、

1.反国家、

2.反税金、

3.反(過剰)福祉、

4.反官僚主義、

そして

5.外国まで軍隊をだすな、

である。

(貼り付け終わり)

トランプを応援するアメリカ思想派閥は、

1.アイソレーショニスト、

2.宗教右派(レリジャス・ライト)、

3.リバータリアン

だと記されています。

ネオコンの解説が分かりやすいです。

(貼り付け開始)

ネオコンは常にイスラエルと共に動く。

ネオコンは、若い学生の頃、「ソビエト打倒、永続革命」を唱えたニューヨークの過激な左翼活動家Trotskyite(トロツキー主義者)だった。

彼らトロツカイトは、ニューヨークに集まっていた急進左翼、すうなわち過激派のユダヤ系の高学歴インテリたちだ。

ところが何と、彼らは1980年代に共和党員になって、レーガン政権に潜り込んでいった。

ロックフェラー財閥がこれをあと押しした。

つまり民主党から出て、共和党内の勢力になったのだ。

だからNeo conservativesネオコンサーヴァティブズ「新保守主義」なのである。

(貼り付け終わり)

ビクトリア・ヌーランドというアメリカ国務省次官補に対する記述がすごいです。

(貼り付け開始)

ビクトリア・ヌーランド女史は、明らかにムーニー(統一教会員)である。

そしてヒラリー派だ。

(貼り付け終わり)

(貼り付け開始)

ヌーランドはネオナチ勢力を操ってウクライナの政変を起こさせた。

オバマ大統領でもヌーランドのクビは切れない。

(貼り付け終わり)

「オバマでもヌーランドのクビは切れない」という指摘は強烈です。

具体的に書かれていませんが、大統領とはいえ、ある勢力を怒らせればケネディのように暗殺されかねないことを暗示しています。

第6章 ヒラリーなら第3次世界大戦になる


(貼り付け開始)

ヒラリーが大統領になったら、アメリカは必ず戦争をする。

このことを下層白人の女たちが心配している。

ヒラリーなら戦争を起こしかねない。

そうなったら自分の息子が戦争に駆(狩)り出される。

このことを民主党支持のリベラルな女性たちが本気で心配している。

(貼り付け終わり)

第2章でも出てきましたが、サンダースの方が外国に行って戦争をしないということを庶民でも分かっているのですね。

だからこそ、クリントンではなく、サンダースを応援しているのですね。

アメリカには現在徴兵制がないのになぜ?

という疑問が起きますが、その疑問に副島先生が答えてくれています。

(貼り付け開始)

セレクティブ・サービス(兵役選別)という名の徴兵検査が厳に今も行われている。

このことが米大統領選挙の裏側に貼りついている真実なのである。

(貼り付け終わり)

徴兵は今はサスペンドされているけれど、徴兵検査は行われており、貧しくて学歴もなく仕事もない若者が志願させられたり、また、必要とあれば徴兵されるということなのですね。

セレクティブ・サービスがあるという指摘は日本のマスコミでは見たことがありません。

副島先生の指摘で、下層の女性が心配しているということに納得です。

ヒラリーなら第3次世界大戦になると指摘しています。

(貼り付け開始)

アメリカの職業軍人のトップの者(将軍)たちがトランプを強く支持している。

職業軍人たちはヒラリー=ネオコン派が大嫌いだ。

高学歴のインテリ研究員たちであるネオコン派はすぐに戦争をしたがる。

(貼り付け終わり)

(貼り付け開始)

アメリカはこれらの隠れ大借金を抱えているから、ヒラリーは大統領になったら、戦争をするしかないという考えで動いている。

戦争をすることで、真っ赤っ赤のアメリカの帳簿を燃やし尽くすという計画である。

戦争をすることで、国と民間の両方の大借金を吹き飛ばしてしまう計画だ。

(貼り付け終わり)

日本のマスコミ報道を見ていますと、トランプよりもクリントンに対して好意的ですが、日本が騙されて、しかけられて愚かな戦争に巻き込まれないためには、トランプの方がよさそうです。

副島隆彦先生の「アジア人どうし戦わず。(またダマされての)戦争だけはしてはならない」という言葉を再度かみしめて終わりにします。

副島隆彦先生に感謝。

最後まで読んでいただいた皆様に感謝。




イメージ 1