自公推薦の岩手知事候補平野氏が断念。自公は追い込まれている。
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以前、阿修羅のブログに日刊ゲンダイの以下の記事が出ていた。
岩手県知事候補に小沢氏と袂を分かち、民主党からも除名された平野参議院議員が、自民、公明が主体となって立候補を表明していた。
片や対抗する相手は、現知事の達増氏である。
達増氏は生活の小沢氏の右腕とも言っていい人で、小沢氏が動いて民主党、維新に協力を仰いでいた。
いつも候補者を出す共産党も自主投票に回り、野党の統一候補と自公推薦候補の一騎打ちの構図であった。
しかし、以下の記事ではダブルスコアで達増氏が有利で、ここで自公が負ければ、戦争法案が影響したと言われることは必至なので、出馬を断念するように迫っているというのが記事内容である。
これは本当か?
と半信半疑であったが、今日平野氏が記者会見を開き、出馬断念を表明した。
さすが日刊ゲンダイである。
他のマスコミは一切報道していなかった。
というか出来なかったのかもしれない。
平野議員の言いぐさが面白い。
選挙の争点が、知事の課題より戦争法案に移ってしまったので、出馬を断念したと述べた。
なんとも訳の分からない理由を述べている。
達増氏は震災復興を第一に挙げている。
平野氏も同じ争点で争えばいいのである。
やはり、自公が推薦した候補者が負けることは許されないのであろう。
それだけ、自公は追い込まれているということである。
参議院選挙で自公が惨敗し、選挙結果ボードの前で脂汗を流している安倍首相を見たいものだ。
岩手知事選“大逆風”で…支援候補に「出馬断念」迫る安倍官邸(日刊ゲンダイ)
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決起集会も開いたが…(平野達男参議院議員)(C)日刊ゲンダイ
岩手知事選“大逆風”で…支援候補に「出馬断念」迫る安倍官邸
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2015年8月4日 日刊ゲンダイ
自公支援の平野達男参院議員(61・元復興相)が、野党統一候補の現職・達増拓也知事(51)に挑む構図の岩手県知事選(8月20日告示、9月6日投開票)。
だが、ここへ来て、安倍官邸の腰が引けてきた。
安保法案へのダメージを警戒して、劣勢の平野氏にナント“出馬断念”を働きかけているというのだ。
「情勢調査で平野さんは達増知事にダブルスコア以上離されているうえ、安保法案への逆風が強まるほどに達増知事の支持が増えるという状況です。
このままでは平野さんは大敗しかねない。
知事選の投票日前後は、まさに安保法案審議が佳境を迎え、参院で採決するのか、それとも60日ルールを使って衆院で再議決するのか、安倍首相が判断を迫られる時期です。
知事選でボロ負けし、『岩手ショック』『安保法案が影響』などとメディアに書き立てられたらたまらない。
だったら、不戦敗の方がマシというわけです」
(自民党関係者)
小沢一郎氏と袂を分かち、民主党も除名された平野氏を知事選に擁立したのは、自民党の二階俊博総務会長と小沢氏を裏切った元秘書の高橋嘉信氏だ。
小沢王国の弱体化を狙ったものだが、自民党は早くから石破茂地方創生相が応援に入るなど党を挙げた支援体制を組んでいた。
それが一転、“平野降ろし”である。
参院任期があと4年残っている平野氏も勝ち目ゼロに「迷い始めた」(地元関係者)とはいうものの、先月30日には事務所開きを済ませ、決起集会も開いてしまった。
「今さら出馬を撤回したら、地元の支持者から総スカン」(前出の地元関係者)で引くに引けなくなっている。
「それならば、と窮余の策として官邸では“仮病”プランまで浮上しています。
病気が理由で出馬を辞退ということなら、平野さんの傷も浅くて済む」
(前出の自民党関係者)
そこまでやるか、ではないか。
法律を無視する側近の暴言もあり、安保法案に対する国民の批判はどんどん拡大している。
そんな中で知事選を不戦敗で逃げようとするとは、安倍首相の焦りと追い込まれ具合が分かるというものだ。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-1e96.html
現職の達増拓哉知事が三選に立候補を予定しているなかで、達増氏の三選を阻止するために平野氏が知事選出馬の意向を示していたのである。
4月26日付ブログ記事
に記述したように、平野達男氏は小沢一郎氏の支援を受けて、2001年の参院選に出馬して当選した人物である。
達増拓哉氏は生活の党代表である小沢一郎氏直系の政治家である。
そして、岩手県は小沢一郎氏の牙城。
平野氏は小沢氏の力で参院議員になり、民主党政権では菅・野田政権で大臣職まで付与されていながら、小沢一郎氏に弓を引いたのである。
2013年の参院選では、民主党からの出馬が、当選に不利になると見て無所属で出馬した。
そして、今回の知事選では、自民党の支援を得て立候補の意向を固めていたのである。
自民党で平野達男氏の知事選出馬を後押ししたのは二階俊博氏である。
二階氏もかつては小沢一郎氏の陣営に所属した議員であるが、自自公連立政権から自由党が離脱すると、与党に残留するために、小沢氏とたもとを分かった人物である。
今回の知事選における平野達男氏の出馬方針は、小沢一郎氏の政治的生命を断つことを目的に組み立てられたものである。
2009年に民主党の小沢-鳩山ラインが政権を奪取したことと並行して、日本政治史上、最も卑劣で最も悪辣な政治謀略事案が進行した。
小沢一郎氏、鳩山友紀夫氏に対する史上空前の人物破壊工作が展開された。
その謀略によって鳩山政権は破壊され、小沢一郎政権の誕生が闇に葬られた。
その謀略工作の最終バージョンが今回の知事選であったと言える。
しかし、潮目が変わり、平野氏が当選する可能性は消滅した。
平野氏が知事選に出馬すると、参院補欠選挙も実施される。
小沢一郎氏系の達増拓哉氏が知事選に勝利し、補欠選挙でも小沢一郎氏系の候補者が勝利することが確実の情勢になった。
平野氏は完全に失脚し、後見人の二階俊博氏も大きな失点をあげることになる。
この事態が明白になったため、平野氏と二階氏が投降したというのが、知事選出馬取りやめの実態である。
次の政権の絵が描かれていないから、安倍政権の安泰が続くとの見解が一部で示されているが、甘い見方であると思われる。
安倍政権の凋落には、合理的な理由がある。
その「理の当然」に従って、安倍政権が下り坂を転がり始めたのだ。
そう簡単にこの流れを変えることはできないだろう。
どこに問題があるのか。
それは、安倍政権が民主主義の根幹を破壊し続けていることにある。
二つの致命的な過ちが犯されている。
一つは、立憲主義の根幹である憲法を破壊していることだ。
政治権力といえども、憲法の前には従順でなければならない。
これが「立憲主義」の基本である。
ところが、安倍政権は、その憲法をないがしろにしている。
政治権力を握れば、憲法も好きなように改変してよい。
これが安倍政権の基本スタンスだが、このような暴挙が容認されるわけがない。
二つめは、原発、憲法、TPPという、国の根幹に関わる重大事項について、主権者の意向を無視した政策運営を強行していることだ。
政治権力を握っているとはいえ、民主主義の政権であるなら、国の根幹に関わる重大事項については、主権者の意向を尊重して政策を運営しなければならない。
ところが、安倍政権は国会における「数の力」を振り回し、主権者国民の圧倒的多数が反対する重大政策を独裁的に強行しているのである。
このことが表面化して内閣支持率が急落している。
この根本が修正されない限り、政権支持率が再浮上することはあり得ない。
潮目が変わったから、風景は見る間に変わってゆくことになるだろう。
いや、変えてゆかねばならないのだ。
岩手県における平野達男氏、高橋嘉信氏、二階俊博氏の大敗北は、流れの転換を象徴する出来事であると言って間違いないだろう。