[1525]安倍の靖国参拝問題から、その後の世界の動きを洞察、予言する。
http://www.snsi.jp/bbs/page/1/
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安倍首相の靖国参拝(昨12月26日)問題の発生からの世界規模の大きな政治の動きを、箇条書きで、私の考え(=未来予測)を書いておきます。
今日は、細かい、あれこれの傍証(ぼうしょう)の記事は載せません。
断言、断定、予言の言い切り文体で書きます。
日本の国家戦略家(ナショナル・ストラテジスト)を自称する者としての自負心で書きます。
1. 安倍晋三の 靖国参拝は、正しい。あれでアメリカ政府の怒り(強い説得の制止を振り切って強行したことで)をいくら買ったとしても、安倍晋三が、「首相として靖国に行かなければ、それが痛恨の極みだ」とまでその時に言ったのだから。
安倍晋三(自民党政権にタカ派路線)を支持しているのはおそらく7割の日本国民だ。
のうちの、4割は、安倍の靖国参拝に対して、「アメリカを怒らせている。そこまでやってくれと、日本国民としてはお願いしていない」と、安倍から離れた。
だから強固な安倍支持は3割(30%)だろう。
しかし、だからと言って4割の国民が安倍支持を公然とやめたわけでない。今も国民は音無(おとな)しの構えだ。
靖国問題では国民は、大きな真実をまだ知らされていない。
それは、私、副島隆彦がこれまでに、ここの重たい掲示板に書いた内容だ。
2. 「どうして靖国に参拝したらいけないのか」の疑問を多くの国民は抱いたままだ。
「戦争で死んだ軍人兵士をお参りしてはいけないのか」と、安倍支持の3割の国民も、アメリカに対して疑問を抱いたままだ。
だから感情、気分、気持ち、民族ロマンティシズム、情緒としては、安倍晋三の
日本国民の多くに、微(かす)かな反アメリカ感情、反米(はんべい)感情の鬱積(うっせき)が見られる。
日本人の反米感情の噴出は正しい。
この反米感情の日本国内での堆積、蓄積を、アメリカやヨーロッパの指導者層 (すなわち 欧米白人文明の側)は、恐れている。
外側世界(=国際社会)から見れば、日本国内は、安倍首相の元で団結しているようにさえ見える。
日本国内には、安倍政権への反対勢力は事実上無い。
自民党内にも、倒閣運動(内閣を壊そうという動き。政局=せいきょく=と言う)は見られない。
3.だから安倍晋三の靖国参拝は正しかったのだ。
ただしそれは国民感情としての、情緒、気分、感覚のところでの正しさだ。
それは、「戦争中には、アメリカ“も”残虐なことをたくさんした。広島、長崎への原爆投下をアメリカは今も謝罪しない」という日本国民の重低音での怒りと不満だ。
しかし、これらの情緒、感情、気分を土台とする日本国民の、反アメリカ、反世界(反白人世界)の理屈は、理屈にもならないものだ。
世界で通用する理論的(ロジカル)な、理論的(セオレティカル)なものではない。
だから、安倍晋三の靖国参拝は、世界基準(ワールド・ヴァリューズ、世界普遍価値観)からは、許されないことであり間違いである。
そのことは、私、副島隆彦が、これまでに論証して説明してきた。
4.個人の自由としては、安倍晋三が靖国参拝するのは自由である。しかし、「個人としての参拝」は、日本国の代表者(=首相)としては許されない。
それは、第二次大戦(1939年9月のドイツのヒトラー政権のポーランド侵攻から始まった)のさ中に出来た、カイロ会談、ヤルタ会談で出来た連合国側= The United Nations の誕生(成立)と、ポツダム会議(宣言)そして、日本の敗戦後の1951年のサンフランシスコ講和条約(日本が48か国と結んだ平和条約=戦争終結条約)の時の、条約内容(約束ごと)に違反するからだ。
そして、この連合諸国の体制 (=The United Nations 連合諸国)という体制が、現在の世界秩序であり、世界体制である。
これに逆らった行動は、日本はしてはならないし、出来ない。そのように出来ている。
昭和天皇(裕仁=ひろひと=天皇)は、このことを重々(じゅうじゅう)知っていた。
だから、以後、日本は世界の態勢を敵に回しては いけないと、言った。
そのことを私はこの「重たい掲示板」で、この1月になってから詳しく説明した。
5.アメリカは今も安倍政権に怒っている。
しかし、アメリカはもっと悪賢く、狡猾である。
オバマ政権は、日本をさらに大きく外側から騙(だま)してくる。
私、副島隆彦は、はっきりと予測(予言)する。もうすぐ、あと数週間もせずに、ジョー・バイデン副大統領が、次の大統領に立候補を表明するだろう。だろうとさえ書かない。する。
このジョー・バイデンをオバマは、強く支持している。「ジョー。僕が、今度は、君の副大統領になろうか」とまでオバマは冗談を言っている。
だから、2016年11月の大統領選挙では、バイデンが当選して、次の2017年からの4年間(一期)だけは、バイデンが大統領になる。
反対党の共和党からは、誰も満足に立候補しようする者さえ出てこない。
共和党は初めから大統領選挙を投げている。だから、次はバイデンだと、副島隆彦ははっきり予言しておきます。
6.だから、おとといの1月28日のアメリカ議会での、大統領の The State of Union (ステイト・オブ・ユニオン、一般教書演説。「国民の団結の表明」とも訳せる)で、これは、日本の首相の国会開催での所信表明演説に相当するが、ここで、オバマは、評判のあまり良くない演説をわざとやった。
オバマの真意は、ヒラリーの大統領戦への立候補を、包囲して封じ込める、である。
ヒラリーは、民主党内の軍事狂暴派である。
これを、古村治彦研究員が、「人道主義的干渉主義 (Humanitarian Intervensionist ヒューマニテリアン・インターヴェンショニスト)」というコトバで「アメリカ政治の秘密」(PHP刊、2012年)で詳しく説明して日本に紹介した。
オバマとバイデンは、共和党系であるに決まっている、軍人たちと、それと軍需産業(ミリタリー・インダストリー)の支持を、大きく、その外側から取ってしまおうという戦略に出ている。
だから、同じ民主党のヒラリーを封じ込めるために、公務員や軍人の給料の値上げのような話ばかりを、一般教書演説でやった。
あとは、軍需産業の業界への配慮だ。
7.オバマと言うよりも、すでにバイデンが、「中東(アラブ世界)よりも、極東(東アジア)での 戦争の脅威を生み出し方がいい」と考えている。
バイデンは、「中東のイランと、アジアの中国とで、どちらをアメリカの仮想敵国として、これからのアメリカの外交政策を作るか、と考えたら、それは、中国だ」と 判断している。
アメリカの仮想敵国(ヴァーチャル・エネミー)を新たに中国にする、とオバマは決断したようである。
中国と、あんなに、G2(ジー・ツー)で仲よくして、3月にも中国に行って習近平と会談する、と決めているとしてもだ。
オバマとバイデンの狙いは何か。それは、中国と日本が軍事でぶつかることだ。
今も生き残っているネオコン派(元々は民主党の過激派だが、今は共和党)は、イラン爆撃を、イスラエルと共にやりたい。だから中東・アラブをアメリカの正面の敵にしたい。
しかし、CFR(外交問題協議会。アメリカの財界)派であるバイデンは、イラン爆撃と、中東での新たな戦争は望まない。イスラエルの意思にアメリカが引きづり回されるのは御免だ、と思っている。
これは、ジョン・ケリー国防長官もチャック・ヘーゲル国防長官の同じ考えだ。
「アメリカは、外国への爆撃はしない。軍隊の派遣もしない(介入主義への反対)。お金がもう無いのだ」という強固な意志でオバマ政権は団結して動いている。
8.だから、オバマとバイデンは、中国との、対話を押し進めながら、その一方で、日本が、勝手に、暴走して、中国と、尖閣諸島で、軍事衝突(ミリタリー・コンフリクション)を起こすことを、アメリカにとって、これ幸いのことと考える。
だから、安倍政権が、さらに暴走して、中国と軍事的に紛争を起こすことは願ってもないことだ。
日中が、戦争(ウォー)にはならないが、その前哨戦の、軍事衝突を起こすことまでを、想定して、それに、仲介者、調停者(ミーディエイター)として、登場することを考えている。
これが、CFR(シー・エフ・アール)の、offshore balancing オフショワ・バランシング 戦略である。
アメこの理論も、古村治彦研究員が、先の本で、日本に詳しく紹介している。
アメリカ(オバマ政権)としては、外国への爆撃と米軍の出兵を避けたい。
自分の軍隊を戦線に投入しないで実質的に勝つことこそが、「孫氏の兵法」である。
だから、海の外(オフショア)に遠くから、外国どうしの軍事紛争を起こさせ、対立、拮抗させて、出来れば、両方からの依頼を受けて、調停、和解の役目(バランシング)を買って出る、という戦略である。
アメリカは、自分の軍隊を損耗(そんもう)することがないし、軍事出費がかさむことがない。
ただ、大事なことは、日中で軍事衝突が起きれば、アメリカの兵器(ミサイル防衛網、戦闘機、輸送ヘリなど)を日本が、どんどんアメリカから買うだろう、ということだ。
それで、オバマとバイデンは、軍需産業界の支持を取り付けることが出来る。
同時にヒラリー派を日干しに出来る。
バイデンは、今、72歳だから、大統領になると74歳で終わるときは78歳の高齢だ。しかし、この男は、 「どんな汚れ仕事も、俺はやる」と闘志満々だ。
9.だから、尖閣諸島 や竹島で、軍事衝突が起きることまでを、アメリカは、期待し、予想し、誘い込むように戦略を立てている。
そして、今年中にも、尖閣での日中の軍事衝突の危険はある。
中国は、このアメリカの戦略を見抜いているだろうが、だからと言って、日本と同じで、中国海軍の中の一番、危険な部分が勝手に暴走することを、北京の最高指導部が止められるかどうかは、分からない。
だから、安倍政権は、日本国民の7割の盲目的な「安倍さんは正しい」の支持を背景(国内の反対派はすべて抑え込まれている。勢力にならない。声にならない)にして、尖閣での軍事衝突に、引きづりこまれてゆくだろう。