シリア・化学兵器を使ったのは反政府勢力 4 | きなこのブログ

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別の報道で 「米英は、早く調査団を現地に訪問させろと言っているが、国連事務局が、治安の問題を理由に、訪問を先延ばしにしている」 という指摘もある。

これまた疑問だ。

国連など国際機関の内部の議論 を 一般人が検証できない ことを良いことに、誰が賛成して誰が反対しているかを 逆に書く のは、昔から英国が得意とするプロパガンダ手法だ。


現在の米政府の姿勢

「国連の調査団 は来るのが遅すぎた

反政府勢力の証言から、シリア軍の犯行であるのは、すでに間違いない

いまさら調査しても意味がない

というものだ。

ケリー米国務長官は「国連の調査は重要だが必須でない。すでに(政府軍が犯人だということで)結論が出ている」と言っている。

http://news.antiwar.com/2013/08/25/obama-administration-accepts-rebels-account-on-syria-prepares-for-war/
Obama Administration Accepts Rebels' Account on Syria, Prepares for War


なぜ米国は、国連の調査を妨害するのか。

もしケリーが断言するとおり化学兵器使用の犯人がシリア政府軍であるなら、国連調査団をさっさと現地行かせて米国に帰国させ、国連総会で真相を発表させれば良い。

それをせず逆に、調査団の帰国を遅らせ妨害しているのは米政府自身なのに、アサドが妨害しているんだとマスコミに歪曲報道させている

真相は、化学兵器を使ったのが反政府勢力だということだろう。

それが国際的に暴露されると、米英が支援してきた反政府勢力の信用失墜と崩壊が進み、アサド政権が内戦に勝ってしまい、ロシアの言いなりでアサド続投を認知する国際会議をやらねばならなくなる。

http://rt.com/news/russia-syria-chemical-attack-801/
Russia suggests Syria `chemical attack' was `planned provocation' by rebels


反政府勢力の犯行を 隠す ため、米国は国連調査団を帰国させず彼らが帰ってくる前に空爆開始し、真相を うやむや にしつつ、シリアの空軍力を壊滅させ、混乱のうちに反政府派を反攻させ、米軍の地上軍派遣をやらずに、アサド政権を倒すまで持っていきたいのだろう。

ロイター通信も、そのような筋書きを報じている。

米軍は、イラクやアフガンよりひどい占領の泥沼になるシリアへの地上軍侵攻に猛反対している。

http://www.activistpost.com/2013/08/reuters-us-to-strike-syria-before-un.html
Reuters: US to Strike Syria Before UN Evidence Collected

イラクとアフガンの失敗以来、米英などでは、政界や世論が、シリアやリビアなど中東の紛争地で戦争をすることに反対する傾向が増している。

米英政府が、議会でシリアとの戦争の必要性についてきちんと議論すると、空爆ができなくなり反政府派の悪事が国際的に暴露されていくのを看過せねばならなくなる。

だから米英政府は、自国の議会が夏休みの間に、急いで空爆を実施しようとしている。

本来、米国も英国も、戦争するには議会の承認が必要だ。


米国では911事件以来、大統領が「テロリストとの戦い」を開始する権限を持っている。

だからオバマは合法的にシリアを空爆できる。

しかし英国では、議会の決議を経ずに首相が勝手に戦争を開始できない。

特に英国は、03年に米国のイラク侵攻につきあって大失敗して以来、開戦権について議会が厳しくなっている。

あと一週間もしたら、英国は議会がシリア空爆を阻止する決議をして、米国と一緒にシリアを空爆できなくなる可能性が高い。

だから、米国のオバマより英国キャメロンの方が、シリア空爆を急いでいる

英国はこの10年ほど、米国に冷たくされ、何より大事だった英米同盟が希薄化している。

シリアに濡れ衣をかけて空爆する悪事を米国と一緒にやれば、英米同盟を立て直せるかもしれないと、英政府は考えているのだろう。

悪事を一緒にやった者同士は(悪事の悪さが大きいほど、強い)運命共同体だ。


米政府は、国内・国際的な反発を減らすため、空爆によってアサド政権を倒す目的でなく、使用禁止の大量破壊兵器である化学兵器を使った「罰」を与えるのが目的だとしている。

だからアサドの大統領官邸やシリア政府の役所などは空爆対象にならないという。

だが真の目的は、シリアが100機ほど持っている空軍の戦闘機を、空爆によってできるだけ多く破壊し、反政府軍に対するシリア軍の 優勢を壊す ことだろう。

反政府軍は地上軍だけなので、空軍力がある政府軍に勝てない。

政府軍の戦闘機やヘリのほとんどを破壊すれば、内戦は地上軍どうしの戦いになり、政府軍の優位が減る。

米英などは最近、シリアの南隣のヨルダンの基地を使って、シリア反政府派を軍事訓練し、シリアに戻すことに力を入れている。

http://www.haaretz.com/news/middle-east/1.543880
Obama's Syria options: From a symbolic strike to wiping out Assad's air force


今後、米英仏が本当にシリアを空爆するかどうか注目が必要だ。

この戦争には、イランやイスラエル、ヒズボラ、サウジなど、他の勢力も関係している。

今回は書ききれなかった、パレスチナ和平交渉との関係もある。


◆終戦記念日に考える
http://tanakanews.com/130816japan.php

【2013年8月16日】

戦前の日本は、どこの国にも従属していなかった。

敗戦は日米の国力差から見て仕方がなく、敗戦直後の対米従属もやむを得ないことと考えられるが、米国が日本に自立した防衛力を持つよう促した1970年代以降も、日本が官僚独裁を維持するために対米従属を続け日本人が世界のことに無知な状態(意図的に)しているのは、明らかに国益を損ね、日本人の精神をねじ曲げている。

日本の対米従属は、自主独立を好む米国の精神にも反する。

戦没者たちは、自国が対米従属の国になったことをあの世で嘆いているだろう。

首相が英霊に謝罪するとしたら、それはまず自国が卑屈な対米従属を続けていることに関してだろう。



「シリア内戦 最新の映像」