ロシアに行ってきました | 知財弁護士の本棚

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企業法務を専門とする弁護士です(登録30年目)。特に、知的財産法と国際取引法(英文契約書)を得意としています。

ルネス総合法律事務所 弁護士 木村耕太郎

 2泊3日でウラジオストクへのツアーに参加しました。弁理士の黒瀬先生(理科大の講師つながり)のご紹介で、現地の法律事務所が主催する知財セミナーに参加したり、裁判傍聴をしてきたりしました。


 人口約60万人、成田から直行便で2時間。街並みはヨーロッパそのものです。


 ウラジオストクといえば軍港の町。昔は外国人はもちろんロシア人の立ち入りも規制されていたそうですが、今は普通の町といった風情です。


 それでも街中で写真を撮るのは気を遣いますが、裁判所の前で写真を撮ったりするのは問題ないようでした。


 税務事件の傍聴をしました。合議の間に当事者が待機させられるのですが、廊下で相手方と雑談したりするのは、日本ではあまり見られない光景でした。


 さてロシアの知財訴訟の仕組みなどの話はいずれ書きたいのですが、今日はロシア語について。


 ロシア国内では、英語はあまり通じないようです。今回、ロシア語を勉強するつもりはなかったのですが、誘惑には勝てず?結局2週間ほど勉強してみました。


 ロシア語の特徴は、まず「キリル文字」を使うことです。しかしこれを覚えるのは思ったほど大変ではなく、今年の初めに勉強したミャンマー語の文字にくらべると楽でした。


 ロシア語の難しいのは、名詞や形容詞が格変化することです。ドイツ語だと冠詞が格変化しますが(格は4種類)、ロシア語は冠詞がない代わりに名詞そのものが格変化します(格は6種類)。代名詞だけでなく、普通名詞、固有名詞さえ(!)変化します。これがロシア語が難しいとされる所以でしょう。2週間くらいでは基礎の基礎しかできません。


 以前にポーランド人(日本語ペラペラ)に聞いた話では、固有名詞が格変化するのはポーランド語も同様だそうです。


 もっとも、文法の複雑さというのは、言語の難易度とは別です。例えばよくインドネシア語は簡単と言われますが、文法がシンプルなことは、初めのとっかかりのハードルが低いとは言えても、実用レベルまで修得するためにはどの言語も表現や語彙をたくさん覚える必要があり、言語による難易度の差はあまりないように思います。


 まとまりがなくなりましたが、要するに、ロシア語を勉強するのは結構楽しいです。


 ロシアを訪問するのは初めてでしたが、一人ではなかなか行こうと思わないので、よい機会でした。