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サッカー審判TIPS(753) GKとの接触(なでしこジャパン) 

 

2023年7月26日、女子ワールドカップ予選リーグ第2戦、対コスタリカ。 

 

2-0でリードした後半、清水の右サイドからのアーリークロスに対し コスタリカDFが戻りながらクリアを試みる。日本は植木がDFの後ろから走る。 

そこにGKが飛び出してきた。 (写真①)

3人がボールに向かいジャンプし、ボールはDFがヘディングで触れてゴール方向へ転がる。そしてGKの頭に植木の肩口あたりが衝突。(写真②)

植木は倒れたが、そのあと立ち上がる。 

しかしGKは起き上がれない。DFはゴール方向に向かうボールを追いかけクリアしてコーナーキックに逃れる。 

 ←①③横から見ると…

 

主審はGKの様子を見に来て、ドクターを呼ぶ。 

しばらくしてGKは立ち上がり試合に復帰。 

再開は日本のコーナーキックとなった。 

 

さて、何かおかしい。 

DFがゴールラインに蹴りだしたのでコーナーキックはよいのだが、その前に植木とGKの接触があったではないか。植木にGKに対するジャンピングアットの意思があったとは思えないが、結果的にGKに当たってしまいなおかつ自分がボールに触れられていないのだから、再開はコスタリカの直接FKなのではないだろうか。

 

3人がゴチャッと接触したのでコスタリカ選手が味方同士でぶつかったように見えた。しかしGKと植木の接触があったことはVARが主審に伝えてもよいのではないだろうか。 

 

VARが介入する4つのケースには当てはまらないが、選手同士の接触によるけがの状態の見極めという非常事態においては主審が確認できなかった事象についてVARの介入があってもよかったのではと個人的に思う。 

一方、VARが4つのケース以外にも介入することが増えてしまうと、ファウルやスローインがあるごとに選手やサポーターがVARを要求するようになり、際限がなくなってしまうため実現はできないだろうなと考える。