サッカー審判TIPS(738) ラインを割ったかどうか | サッカー審判KenKenのブログ

サッカー審判KenKenのブログ

サッカー3級審判KenKenの審判経験記

サッカー審判TIPS(738) ラインを割ったかどうか

 

FIFAワールドカップカタール大会、グループE日本vsスペイン戦。

日本の2点目の三笘によるアシストがゴールラインを割っていたのではないかということでVAR

チェックが行われた。その瞬間の写真がネットにアップされている。

(写真2:ロイター、写真3:英紙「The Times」記者のツイッターによる)

 

少し後方から撮影された写真1, 2:ボールはラインを割っているように見える。

真上から撮影された写真3(The Times紙1面):ボールはギリギリゴールラインに接している。

しかもゴールポストの見え方からわかるように、ラインの真上からの画像ではない。

カメラをもう少し右方向に移動してゴールポストとゴールラインがピッタリ重なるような位置から

見れば、ボールはもう少しラインにかかって見えるだろう。

間違いなくオンライン、インプレーである。

 

私がサッカーのルールについて説明をするときによく行うのは、実際にライン際にボールを置いて

 ①ピッチ内から選手目線で見る場合、

 ②ライン外で副審目線で見る場合

の見え方の違いを体験してもらうことだ。やってみていただきたい。

 

ボールの半分以上がラインの外にあるように置いてみる。実際はオンラインなのにピッチ内からは

外に出ているように見える。

一方、ボール全体がほとんど外に出ている位置に置いてみると、ピッチ内からはもちろんアウトオブ

プレーに見えるのだがピッチ外からはまだオンラインのようにも見える。

つまり、副審はライン際をドリブルしてくるプレーに関してはラインから離れてしまっては出ている

ボールでもインプレーに見えてしまう。選手とぶつからないようにと思うとついラインから離れて

しまうが、頑張って先回りして前から(なるべくラインに近い位置から)見るようにすべきだということ。

 

三笘選手の眼からはボールが完全にラインを超えているように見えていたはずだ。

 

ゴールライン上の判定も同様で、ラインの真横よりも後方の位置から見るとラインを割っている

ように見えるが真横(真上)から見ればまだオンラインだということがわかる。

ゴールラインを割ったかどうかは得点機会に関係するので選手達の納得感を得るためにもゴール

ラインまで走りこんで真横から判定したい。