サッカー審判TIPS(737) アディショナルタイム
今回のW杯カタール大会ではアディショナルタイムを厳格に取ることが話題になっている。
もともと競技規則では以下のように規定されている。
競技者の交代、負傷、懲戒処置、得点の喜びなどにより「空費された」分を試合の前半、
後半の終了時に延長する時間のこと。
私の場合は、速やかに行われる選手交代や、ボールがピッチ外に出た場合でもすぐに取りに行ける場合は時計を止めない。多くの審判の方々がそうしているだろう。
ただ、遠く(例えば陸上トラックの外側)に転がって行ってしまった場合だとか、交代で下がる選手がゆっくり歩いている場合などは手を挙げて皆に見えるようにして時計を止める。
こうすれば、時間稼ぎされていると思わされる側も時計が止まっているなら、と落ち着いてくれる。ただし「早く出ましょう!」と声をかけるようにはしている。
カードを出す際には、いろいろとやることがあるので(選手の特定、理由の記録、時間の記録、場合によっては仲裁)、時計を操作する余裕がない。皆さん時計を止めてからカードを出しているのでしょうか。
まあ1分かかったら相当長く止めた部類だろう。
これらをコマゴマと積み重ねたら簡単に5分とか6分とかになってしまう。
ワールドカップで世界中の人が見るのだから今後の国内リーグでもこれが標準となり、「アディショナルタイム5分です。短いですねー」なんて会話が当たり前になるかもしれない。
個人的にはアメリカンフットボールみたいにストップウォッチで計測されて表示されるというサッカーの姿は想像したくない。主審の裁量でアディショナルタイムを決めるという人間臭さが残ってほしい。