サッカー審判TIPS(733) 高校サッカー決勝戦で気になったこと
高校サッカー決勝戦は青森山田高校vs山梨学院高校の組み合わせ。
青森山田がボール保持率、決定機の数、崩し方のうまさ等すべてが上回っており、山梨学院が先制したものの逆転するのは時間の問題かと思えた。
しかし2-2から10分ハーフの延長を戦っても決着がつかず勝負はPK戦へ。
青森山田が2人はずし、4-2で山梨学院が勝利。
この試合でいくつか気になったことがあった。
(1)テクニカルエリアに立っていた青森山田の監督のところに山梨学院のスローインとなるボールが転がってきた。これを拾い上げたのは良かったが、山梨学院のDFの選手の方向に(ハーフウェーライン方向に)転がした。ロングスローを投げられる位置なのでDFの選手に投げるのはおかしい。(相手の戦法は調査済みのはず)。実際ロングスローを投げる選手がボールを手にした。監督はボールが出た位置にポイと投げるだけでよかった。
(2)その直後監督はロングスローを投げようとした選手の助走ルートすれすれに立ったまま。投げる選手にとっては邪魔だよね。
スローインでは相手の競技者はスローアーから2m離れなければならない。テクニカルエリアの指導者も助走の邪魔にならないように道を空けてあげる(助走路から2m離れる)という配慮くらいすればいいのに。(ま、こういう小さい嫌がらせも相手を動揺させる手段だが) 主審、A1、4th、だれも注意しなかった。
(3)主審の判定がどうも青森山田に対して厳しいように思えた。判官贔屓?
(a)青森山田の左からのクロスが滑り込んだ山梨学院DFの体に当たり、その後高く上げていた腕の付け根に当たってゴールラインを割りコーナーキックとなった。わきの下に当たったとはいえ、不自然な位置に腕があったのは事実。これがハンドの判定ならPKだった。
(b)山梨学院の同点弾のシュート直前、ボールを取りに体を入れた青森山田のディフェンダーに山梨学院の選手が肩に手をかけて倒したように見えた。そのこぼれ球のシュートが得点になったのだ。
(c)青森山田の右からのグラウンダーのクロスに合わせようと走りこんだ選手がペナルティエリア内で足をかけられて倒された、ように見えた。ノーファウルの判定。
(d)山梨学院の選手が相手の後方から追いかけて、足がかかって倒してしまうというファウルが2度あった。同じ選手が同じパターンのファウルを、しかも危険な反則を犯した。見ていて「あ、同じ選手がまたやった!」と思った。私なら繰り返し違反で警告する。
(4)山梨学院の監督についてもひと言
試合中通信機器でスタッフと会話していた。テレビの解説ではスタンドにいるスタッフと情報交換をしていると言っていたが、無観客試合でスタンドには人を入れないはずだが、コーチ等のチーム関係者は入れたのだろうか。もしそうなら青森山田のチーム関係者も入れないと不公平。
(5)試合後、山梨学院のGKが青森山田の2年生エース(硬い表情のまま)にハグしに行ったが無表情のまま、ハグはされたがハグし返すこともなく、目も合わせずだった。悔しいのは分かるが終わればノーサイド。相手の勝利を認めて祝福してやれば? (感染のリスクを案じたのかな)
裏でやっていた大学ラグビー決勝。試合後には両チームがハグし合って健闘をたたえていたのと対照的だった。