サッカー審判TIPS(698) 審判への質問という名の異議 | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(698)
審判への質問という名の異議

本日、副審を務めたときのこと。
ゴール前にグラウンダーのクロスが入る。
ディフェンダーの裏に飛び出した攻撃側の選手に渡る。
受けた位置はオフサイドポジションだがキックされた瞬間はまだ最終ラインに届いていない。
当然ながらフラッグは上げない。
シュートは外れたためゴールキックを示す。

するとディフェンダーの一人が「副審、何番の選手が残っていたか教えて。今後の参考にするから」と言って
きた。
この言葉の裏には、「ちゃんと見ろよ。ディフェンダー誰も残ってないだろ。だから『〇番が残っていた』なんて
言えないだろ。」とでも言いたげな気持ちが見て取れる。
もちろん、質問に答える義務はないので聴こえなかったことにした。

しかし考えてみればオフサイドだったのかどうかなんて当事者のディフェンダーが一番よくわかる話だ。
審判に尋ねるまでもなく自分たちで反省会で検討すればわかること。
そういう意味でも判定へのイチャモンだと言える。

このような場合「判定への異議」として警告することもできるが、警告を受けた方は「この程度でか?」という
気持ちが強くなり余計に判定への文句を(本人は文句や異議ではなく質問だと言うだろうが)募らせること
になるだろう。
「判定についての質問も異議もできませんよ。」と優しく注意するのが良かったのかもしれない。

この件は、オフサイドラインを抜け出した選手がシュートを外したことで守備側の不満も収まったのでそれ以上
引きずることはなかった。
が、根本解決ではない。シュートが決まっていたら守備側はオフサイドを主張して私に詰め寄ってきたかも
しれない。判定を覆す必要もなく、言い訳も説明も不要だが、その時にどのような言葉で対応するかまで
シミュレーションをしておこうと思った。