サッカー審判TIPS(683)
テニスの主審
テニスの全米オープンは大坂なおみの優勝で終了したが、決勝戦で地元のセリーナ・ウィリアムズが主審の判定に激怒して暴言を吐いたのには驚いた。
まず、コーチング違反で警告され、ラケットを壊したことで警告、さらに審判に対しての暴言、と悪質度が増幅して
いった。
ポルトガル人のカルロス・ラモスアンパイアはこれだけの侮辱を受け、観客もセリーナの味方をして主審にブーイングを行なう中、冷静に対処し判定がぶれることは無かった。
サッカーに例えたら、たぶんこんな感じ。
セリーナが「やってない」と言い訳したコーチング違反は、たとえばタックルで相手を倒してファウルを宣告されたが、「今のはボールに行っている。足には行ってない」と言い訳したようなものかな。
ラケット叩きつけは、判定に異議を唱えてすねあて、スパイク、砂や芝をつかんで地面に叩きつける行為だな。
そして主審に対して「うそつき!フリーキック泥棒!謝れ!」と侮辱的な言葉。
ちょっと考えられない。もしサッカーの試合中にこんな発言があったら即刻退場で何試合もの出場停止処分だ。
テニスでは判定に対してチャレンジできるというルールがあったり、個人競技とチーム競技との違いはあるが、
紳士的に(スポーツマン、ウーマンらしく)振舞うという点では同じだと思う。
後日セリーナに罰金が課されたのは当然だし、サッカー同様何試合かの出場停止処分をしても良いくらいだと
思う。
ただ、執拗な抗議に対してゲームポイントが大坂に与えられたというルールは興味深い。
サッカーでは、どんなに悪質な選手がいて、何人退場させられたとしてもその相手チームに得点を与えるという
ことはしない。それだけ得点の重さが違うということか。
観客が大勢いるところで笛を吹く機会はほとんど無いが、まわりからいくらブーイングされても自分の判定は
ぶれないように毅然とした態度で判定を行なおう、とテニスの主審を見て思った。