サッカー審判TIPS(655) ペナルティキックの珍事 | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(655) 
ペナルティキックの珍事

ペナルティマークからのキックによる勝者決定の最中に起きた珍しい出来事。最近Web上で話題になっている。
https://www.youtube.com/watch?v=l4ejXyzawaE
キックされたボールがクロスバーに当たり上方に跳ね返る。キッカーはがっくり。キーパーは喜んで走り出す。
しかし落ちてきたボールにはバックスピンがかかっておりバウンドしてゴールイン。

PKではどのような時にゴール/ノーゴールが決まるのだろうか。
明らかにネットを揺らしたら得点、シュートが枠を外れた、枠やキーパーに当たりゴール方向とは異なる方向
にボールが動いた、など。キーパーが手や足に当てたがゴールインしたとかもある。

競技規則には、ペナルティマークからのキックで結果が確定する条件が書かれている。
ボールの動きが止まったとき、とかキッカーやキーパーに反則があったと主審が判定しプレーを止めたとき
などがそうだ。
試合中のペナルティキックであれば枠やキーパーに当たってフィールドに戻ってきた場合はプレーが継続する
ので、シュート、クリアなどが行なわれることになる。したがってこの動画のようなケースは起こらない。

さて、この動画ような場合の判定について個人的には少し勘違いしていた。

シュートがダイレクトにゴールインした場合は誰が見ても得点(キッカーに反則が無ければ)だが、
バーに当たってその後キーパーに当たって入った場合はどうか。
これはバーに当たってPK失敗のように思えるが直後にキーパーに当たってゴールに入っているので、
シュートの一連の動きとしてゴールは認められる。

しかしこの動画のようにキックされてから相当な時間が経過したものは一連のシュートとは言えない。
バーに当たって跳ね返った時点でそのキックは失敗と結果が出たからそこで終わり、と思っていたのだ。
試合中とは異なり跳ね返ったボールにプレーしないしね。

ということで自分の思い違いを修正。

ところで、試合の前後半に時間を延長して行なうペナルティキックの場合は、蹴って結果が出たら
(ゴールかノーゴールか)その時点で終了。跳ね返りを押し込んでもだめ。跳ね返った時点で終わり。
ただ、跳ね返ったボールがキーパーの背中に当たってゴールインという場合は一連のシュートとして
得点が認められる。
クロスバーの下部に当たりフィールド内に落ちてワンバウンドでバックスピンでゴールイン
というのであれば一連のシュートとして得点を認めてよいだろう。