サッカー審判TIPS(634)
埋め合わせ?
年が変わる前にクラブW杯のネタをもうひとつ。
決勝戦でセルヒオ・ラモスに2枚目のイエローカードが出されなかった件。
セルヒオ・ラモスには既に1枚のイエローカードが出ていた。
このとき(1枚目の警告時)のファウルはイエローカードを出すほどではないのでは?ちょっと厳しいなーと思った。
その埋め合わせをするというわけではないのだろうけど、1枚目のイエローが出たときよりも反則の度合いが悪質なファウルに対して「前回の判定が厳しかったから今回はちょっと甘くしてやろう」などと思ったのだろうか。
人間だから最初に厳しすぎる判定をしてしまったら「あ、ちょっとやりすぎたかな」などと考えてしまい、次のときにどうしても手加減してしまったりすることもあるだろう。
だから同じファウルでも最初はイエローが出たけど次は出なかったなんてことも(草サッカーでは)あり得る。
しかしながら世界最高レベルの国際主審ならばそのようなブレを極力廃してジャッジを下すという場面は多く経験しているだろう。
だからこう考えた。
最初の警告は「このあと今みたいなファウルをしたらもう一枚警告が出るよ」と思わせ、ラフプレーを未然に防ごうとする意図があったのではないだろうか。
だってセルヒオ・ラモス(に限らず屈強なDF)ってガンガンラフなチャージをしてきそうだもの。
2枚目の警告をしなかったのは
(1)1枚目が厳しすぎたと主審が思ったから2枚目は遠慮した
(2)1 枚目はこの先のラフプレーを牽制するための防波堤としてあえて厳しさのダイヤルを高めに回した
のどちらか。
まさか
(3)ファウルそのものを見ていなかったので警告すべきかどうか判断を下せなかった
ではないだろうな。
ましてや
(4)これでレアルが1人少なくなって鹿島が勝っちゃったりなんかしたらオレ絶対恨まれるし明日の新聞に「レアル、主審によって鹿島に敗北」なんて記事が出たら嫌だしなー。レアルに恨まれるより鹿島に恨まれるほうがまだマシか。
なんて考えたのではないだろうね。
振り返って自分でも「厳しい判定をしてしまったな、申し訳ないな」と思って次のプレーで判定に手加減を加えてしまうことがなかったとは言えない。
判定には「足して2で割ってちょうど」なんていうことはないのだからとにかく「ブレない」判断基準を持つようにしたいものだ。