サッカー審判TIPS(618) トリックPK | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(618)
トリックPK

週末の海外サッカーの試合を月曜の夜中にテレビで放送している。
リーガエスパニョーラのバルセロナvsセルタの試合。
バルセロナがPKを獲得。
キッカーはメッシ。
しかしズドンと蹴らずに右前方にコロコロとキック。
走り込んだスアレスが蹴り込んでゴール。

もちろんこれは違反でもなんでもない。
ボールが蹴られて前方に移動すればインプレーとなりペナルティエリアの外にいた選手は走り込むことができる。
そしてそのボールをキックしてゴールを狙うことができるのだ。

その際の条件は
1)キッカーがボールに触れて前方に移動すること
2)ボールが移動するまでその他の選手はペナルティエリアの外にいること。
 外というのはラインを含まない。ラインはペナルティエリアに含まれる。
 だからラインを踏んでいたらエリア内にいることになるのだ。
 (私は以前、ラインを踏んで構えていたら主審に線を踏むなと注意されたことがある)
ということになる。

後ろから走り込む選手が蹴りやすいようにボールを後ろに動かすことはできない。

しかし、キーパーと1対1となり絶対的に有利なPKをこのような形で行なうことはあまり得策ではない。
ボールが移動すればキーパーも前方に詰めてくるし、外から走り込んだ味方選手がキックする時にはキーパーが目の前にいてシュートコースが狭められてしまうしディフェンダーも走り込んでいるからだ。

リプレイしてみないとわからないが、スアレスはメッシがボールに触れる前に既にエリア内に入っていたのではないだろうか。(外から走り込んだとしてもインプレー前にエリアに入っていたかも)
実際の試合では、その一瞬にキッカー以外の競技者がエリア内に入っていたかどうかを主審や副審が見極めるのは難しい。
キッカーはゴールに向かってシュートを打つものと思って見ているからだ。