サッカー審判TIPS(600) PK時の侵入違反 | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(600)
PK時の侵入違反


ネットにこんな記事が出ていた。

イングランドで残り18秒から試合がやり直されるという、ヨーロッパでは前代未聞の事件が起きた。
9日付のイギリス紙『デイリー・メール』など各紙が報じている。
 問題となったのは4日に行われたU-19女子欧州選手権予選のイングランド対ノルウェーの試合。
1-2で迎えた後半アディショナルタイムにイングランドがPKを獲得する。
これをDFリア・ウィリアムソンが左隅にきっちりと決めて、イングランドが土壇場で同点かと思われた。
 しかし、主審のマリヤ・クルテス氏は、PKの際にイングランドFWロセッラ・アヤンがシュートよりも
早くペナルティエリアに入ったと指摘し、イングランドの得点を認めなかった。
通常、この場合はPKがやり直されるが、クルテス氏はノルウェーにFKを与えてしまい、そのまま2-1で
ノルウェーが勝利した。
 これについてUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)の規律委員会はクルテス氏の誤審を認め、ミスが
起きた場面から、別の審判での試合やり直しを決定。
 そして9日、予選最終節を終えた両チームは、その後4日の試合の再試合を行うことに。4日の試合と
同じ条件で再開された試合は、ウィリアムソンがしっかりとゴール左下に決めて“5日ぶり”の同点
ゴールを決めた。その後のキックオフから数秒後、終了のホイッスルが吹かれ、プレータイムわずか
18秒の再試合の結果2-2の引き分けとなった。


PKの際の侵入の違反については混乱しやすいため、しっかりと覚えておかねばならない。
今年度の競技規則の133ページに出ている。
よく見るとPKのやり直しは2通りしかない。
攻撃側が違反して攻撃側に不利な結果(得点にならなかった)の場合は守備側に有利になるように判定(守備側の間接FK)し、守備側が違反して守備側に不利な結果(得点になった)場合は攻撃側に有利になるように判定(得点を認める)をする、という基本原則。
それ以外はすべてPKのやり直しということだ。

この記事の場合は攻撃側の違反で攻撃側に有利な結果だったからPKのやり直しとなる。
PKを蹴らせる前にこの表を思い出して、万が一の判定を間違えないようにしなければ…と思っていたのに先日の試合でPKを取った時にはそれを思い出す余裕がなかった。(幸い侵入もなくPKが決まったので問題はなかった)