サッカー審判TIPS(601) 試合中のPK時の位置 | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(601)
試合中のPK時の位置

前回PKの話を書いたが、その後試合中にPKを取った場面があった。
侵入違反のことを思い出したが、頭の中で復唱をしなくてはと思いつつもプレーの再開をあまり手間取っては良くないし、となかなか思い通りには行かない。

とりあえずボールを置かせてから「笛が鳴ってからね」と言って消えかけたペナルティーサークルに沿って「はい、線を踏まないでねー」と声をかける。
天然芝に描いた石灰の線なので消えかけている。こんなときにバニシングスプレーでシュッとラインを描いたら受けただろうな、などと考えながらペナルティスポットの横から数歩下がって立つ。
副審の位置を確認する余裕があった。
そうだ、と後ろを振り返り、ペナルティエリアに飛び込もうとしている選手を見て牽制。
そう、主審が振りかえってちょっと視線を止めると選手も「おっと」と意識するはず。
自分の死角から飛び込んできた選手がこぼれ球に触れることは十分考えられる。
そいつがフライングで走りこんだかどうかがわからなければ得点を認めるのか、再開方法はどうなるのかの判断以前の話だ。

だから主審としては支障がない限りできるだけ後ろに下がった方が良いと思う。
それほど近くで判定する必要もないし全体を見渡せるような位置のほうが判定に説得力があると思う。

ところでPKの判定の原因はトリッピングだったのだが、守備側の選手にカードを出そうかどうか迷ってしまい結局出さなかった。
これは自分でもミスジャッジだったと思う。
ゴールに向かう方向だったからだ。
しかし、「抜けても目の前にはキーパーがいてボールをキャッチしただろう」と思って警告をしなかった。
PKを与えたことは十分なペナルティだと思ったのも事実。
でも、ゴールから遠ざかる方向でのファウルでないのであればちゃんと懲戒の処理をしなければいけなかったと反省している。