サッカー審判TIPS(132) 選手交代時の協力 | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(132)

選手交代時の協力

さまざまな場面で主審と副審の協力が必要だが、選手交代の手順についてみてみよう。

主審は常に首を振ってあちこちの状況を見ておかねばならない。ボール(争点)ばかり見てしまうボールウォッチャーがいけないのはプレーヤーも審判も同じだ。
試合開始間もないときは別だが、選手交代の前には必ずベンチの控え選手がアップを始める。
常に首を振っていれば、ベンチで監督に呼ばれている選手がいたら目に入るかもしれない。
交代カードを持って第4の審判のところに向かう選手が見えるかもしれない。

そして交代の準備が整い、ボールがアウトオブプレーになったところで副審が旗を頭上に上げ、両手で真横に持って主審に選手交代を知らせる。
このジェスチャーは両方の副審が行なう。バックスタンド側でプレーが行なわれており、主審がベンチ側を振り返る余裕がないときなど、A2の副審が同様に合図をすれば主審も気がつく。

このとき、旗が大きかったり、手が短い人(中学生とか、女子とか)の場合旗で顔がかくれてしまう。
真上に上げるとは言いながらも顔が隠れないように左右どちらかにずらすとよい。
顔が隠れると主審とアイコンタクトができない。

主審が気づいてプレーを止めたら旗は降ろしてよい。

第4の審判がいればそこで用具チェックを行なえるが、いない場合はA1の副審がハーフラインまで走って交代選手の用具チェックを行なう。具体的にはユニフォーム(アンダーシャツの袖の色、アンダーパンツの色、背番号とパンツの番号の一致など)、すね当て、スパイク、装身具、何人目の交代かの確認。

A2もボーッとして見ていてはいけない。
主審は交代で入る選手と出る選手を注目していたり、手元のカードに交代選手の番号を記入したりして他の選手から視線がはずれるので、A2がフィールドのその他の場所で何か起きないかを監視する必要がある。小競り合いや暴言などに注意しておこう。

交代で出る選手はどこから出てもよい。
ピッチの反対側からゆっくり歩いて戻ってくることによる時間の浪費をさせないためだ。
ただし、一瞬でもピッチ上に12人の選手がいてはいけないので必ず退く選手が出てから交代選手を入場させる。第4の審判またはA1は入る選手の前に腕を斜めに出して前進するのを遮っておく。


そして再開は笛で行なうのだが、A1が用具チェックを行なった場合はA1が所定の位置に戻るまで待とう。
コーナーキックを取ったところで選手交代などとなった場合、A1がコーナーからハーフラインまで戻って用具チェックをし、その後またコーナーまで戻らなければいけないからたいへんだ。

コーナーキックやフリーキック時に守備側が選手交代をした場合は入った選手が守備につくまで待ってあげよう。