サッカー審判TIPS(124) 繰り返し違反 | サッカー審判KenKenのブログ

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繰り返し違反


警告の対象となる行為の中で「繰り返し違反」という理由でというのはわりと難しいのではないだろうか。
同じ選手が何度も違反を繰り返す場合に「キミ、ファウルが多いよ」という意味で警告をするということがもとの意味だ。

例えばプッシングの反則自体は警告対象ではない。
しかし、ことあるごとに接触した相手選手を押すという行為を繰り返すようだと「警告」となる。
では「繰り返し」とは何回繰り返したら警告になるのだろう?

これには明確な回数の規定はない。

3回繰り返しても警告しないこともあれば、2回目で警告をすることもある。
要は、悪質度合いや危険度合いを見て決めるということだ。



2007/2008版ルールブック120ページによれば、警告するには同じ違反に限らないとのこと。異なった反則を何度も犯すことに注意すべきとある。

「こいつは反則を犯しやすい選手だ」と思ったら早めに「注意」をして牽制しておくとともに、それでも反則を繰り返すようであれば「警告」をして更なる反則の発生を未然に防ぐ。


繰り返し違反で警告を出した経験について書いてみる。

最近少年団の試合で主審をやったときのこと。
あるディフェンダーの選手はドリブルする相手選手を追いかけるときに手をかける癖があった。
最初に見つけたときにはゴールから遠かったこともあり、アドバンテージを取らずに笛を吹いてファウルを取った。そして口頭で「手で押さえてはだめだよ」と注意。

しばらく後に、ゴールラインを割ろうとしたボールを追いかけて相手をつかもうとした。
つかんだときにはボールが出ておりコーナーキックとなったのだが、「今度つかんだら警告だよ」と注意。
そしたらまたやってくれました。
こんどはゴールに向かう相手選手をつかもうとした。ドリブルは続けられたため「プレーオン」と叫びしばらく様子を見た。
ボールがカットされたため笛を吹いてプレーを停止し、つかまれた場所でのフリーキックを指示したのち「例の選手」に「はい、こちらに来て。さっき今度やったら警告だよ、と言ったよ。今度からつかまないようにしよう」と言ってイエローカードを提示。


今回私はやらなかったが、こういう場合、前回ファウルを取った場所を2、3箇所指差して、「あそことあそこでファウルしたよ。そして今回」というジェスチャーを示すとベンチや観客にも「ああ、あの選手はファウルを何度も犯したから警告なんだな」ということがわかる。
普通のプッシングやホールディングだけでは警告にはならないから、こういう動作を加えることで周囲にわかりやすいし本人も言い訳できなくなる。